宇部興産、Dow Chemical とのリチウムイオン二次電池向け電解液合弁会社を子会社化

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宇部興産は1月16日、リチウムイオン二次電池向け電解液事業をさらに強化するため、Dow Chemical との50/50JVのAdvanced Electrolyte Technologies LLC(AET)を子会社化したと発表した。


今回、出資比率を70%としたが、2015年3月末には80.5%とする予定。この時点でDow出資は19.5%となり、持分法対象から外れる。
実質的にはDowの離脱だが、後述の通り、AETの米国と中国の工場はDow の工場内にあるため、出資を残したと思われる。

宇部興産では、今回の子会社化は、AETと宇部興産の電池材料事業との一体運営を強化し、事業の更なる拡大を図っていくものとしており、今後、需要増が見込まれる車載用リチウムイオン二次電池向けを中心に、研究開発・生産・販売等でのシナジーをより一層発揮することで拡販やコストダウンを推し進めるとしている。

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宇部興産は2011年7月、Dow Chemical との間でリチウムイオン二次電池向け電解液の製造及び販売等を行う合弁会社を設立することで合意したと発表した。

宇部興産は、リチウムイオン二次電池の主要四部材のうち、電解液とセパレーターを事業化している。

電解液事業については、独自の有機合成技術を用いた高純度溶剤、炭酸ジメチル(DMC)等をベースに電解質を混合したリチウムイオン電池用電解液「ピュアライト®」を販売している。

同社は堺工場年産能力1万トンのプラントを持つが、民生用携帯機器に加え、今後、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用途をはじめとして、蓄電用途や産業用途などへの応用も期待され、大幅な需要の増加が予想されているため、グローバルな生産・販売体制を早急に構築することが不可欠であると判断し、Dowとの合弁会社設立を決めた。

Dow Chemical は韓国最大のリチウム電池メーカーKokam Engineering の米国子会社、投資会社のTownsend Ventures, LLC、SAIL Venture Partners と組んで、合弁会社Dow Kokam を設立、リチウム電池を製造している。

2009/5/27 ダウ、ミシガン州にリチウム電池工場

これとは別にDow Energy MaterialsがNickel-Manganese-Cobalt (NMC) リン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)の正極材料を製造している。


2011年12月にAdvanced Electrolyte Technologies LLC(AET)が設立された。
宇部興産は、電解液の技術を合弁会社にライセンスし、合弁会社は順次、米国・中国・欧州に電解液の製造設備を有する100%子会社を設立することを決めた。

(米国) 

2011年12月、AET設立と同時に同社の米国子会社Advanced Electrolyte Technologies (USA) LLCが設立された。
同社はDow Chemical のミシガン州Midland工場内に年産5,000トンの工場建設に着手した。

(中国) 

2012年6月、AET Electrolyte Technologies (Zhangjiagang) Companyが設立された。
江蘇省張家港市のDow Chemical の工場内に年産 5,000トンの工場建設に着手した。宇部技術で原料の炭酸ジメチルから生産する。

(欧州)

2012年6月、スペインにAdvanced Electrolyte Technologies LLC を設立した。

宇部興産は電解液の開発体制を整えるため、2011年UBE Chemical Europe S.A.Castellon 工場で分析装置や小ロット電解液の調合設備を稼動させたが、これを引き継いだ。
デュッセルドルフに販売事務所を設け、
欧州市場向けにサンプル出荷を始めた。

日本での生産・販売は宇部興産が行うが、日米中の合計能力は20,000トンとなる。

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中国工場は2013年6月に営業運転を開始した。

米国工場も2013年3月に工場は完成した。しかし、EV市場拡大の遅れにより米国の電解液需要が当初見通しを大幅に下回っているため、2014年2月の報道では、工場稼動を当面見送るとしていた。(現時点での状況は不明)


リチウムイオン電池の各材料の競争は激化している。

 

 

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