ユーグレナは2月20日、バイオ燃料精製実証設備の建設に向けて、Chevron Lummus Global との間で Biofuels ISOCONVERSION Process 技術を採用することに関する基本合意契約を締結した。
同社はミドリムシなどのバイオマスから抽出した油脂を国内でバイオジェット燃料に精製することを目指しており、この技術導入はバイオジェット燃料事業の実現性を高めるものとなる。
Chevron Lummus Global は、Chevron U.S.A.と米国の建設・エンジニアリング大手の CB&I Technology Ventures の合弁会社。
Biofuels ISOCONVERSION Process 技術は、同社とApplied Research Associatesが共同開発した独自のバイオ燃料製造技術 で、植物や藻類からとった油をジェット燃料やディーゼル燃料に変換、他の油と混ぜることなしに、石油系燃料向けに設計されたタービンやディーゼルエンジンを動かすことが出来る。
バイオ燃料はそのままではジェット機やディーゼルには使用できない。
生産された油は "Renewable, Aromatic, Drop-in (Readi) fuels"と呼ばれ、ジェット用を ReadiJet® 、ディーゼル用をReadiDiesel®と名付けている。
2012年にカナダのNational
Research Centre が ジェット機 Dassault Falcon 20 bizjet で100%バイオ燃料ReadiJet での飛行に成功した。
(ReadiJet は Chevron Lummus Global とApplied Research Associates が米空軍研究所の資金提供を受けて製造した。
)
製法は下記の通り。
ーーー
㈱ユーグレナと同社の微細藻類ユーグレナ(euglena:ミドリムシ)については、下記を参照。
2013/10/17
ミドリムシが地球を救う!
ヘルスケア分野で収益をあげ、エネルギー・環境事業の研究開発を他社と共同で実施している。
燃料開発油脂を多く含むユーグレナを活用したジェット燃料開発
飼料開発
高蛋白質ユーグレナを活用した水産、家畜飼料開発
CO2固定化技術開発
高濃度CO2耐性ユーグレナを活用したCO2固定化技術開発
水質浄化技術開発
水中有機物を活用するユーグレナによる水質浄化技術開発
ーーー
化粧品
ユーグレナの加水分解エキスを活用した化粧品事業
バイオジェット燃料の開発体制は下記の通りとしていた。
燃料供給のためには、現在の食品生産のレベルとはけた違いの量が必要になるため、量産用の大きなプールで安定生産ができるかどうかがキイとなる。培養に必要な機器は日立プラントテクノロジー、培養に必要な管理技術はユーグレナが担当する。
抽出した油脂は脂肪酸のため、水素化により液体燃料に転換することが必要で、これまではJX日鉱日石が担当するとしていた。
今回、実績のあるChevron Lummus Global
の技術を導入し、早期の事業化を図るものと思われる。
コメントする