Pfizer、米製薬会社 Hospira, Inc. を買収

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Pfizer は2月5日、同業の米 Hospira, Inc.を170億ドルで買収する契約を締結したと発表した。

Hospiraはジェネリック注射剤を製造し、医療施設で広範囲に利用されている。またバイオ後続品の販売や開発も手がける。

Pfizerは高脂血症薬「リピトール」など主力大型薬の特許失効で売上高がこの4年で約3割減っており、新たな収益源の確保が急務となっている。

同社は2014年にAstraZenecaに総額約693億ポンドの買収提案を行ったが、断念した。
   2014/5/12   Pfizer が AstraZenecaに買収提案

今回の買収で、新興国を中心にジェネリック注射剤やバイオ後続品分野での事業拡大を狙っているとみられる。

Pfizerは、注射剤後発薬の世界市場規模が2020年に700億ドルと2013年比で8割強増えるとみているほか、バイオ後発薬も200億ドルと2015年の予想比で7倍弱に拡大すると予想する。Hospira買収でこうした成長市場を取り込む。

買収資金の2/3は保有の現金、1/3は新規借り入れで賄う。同社では買収の効果として2018年に年間 8億ドルのコストダウンを期待している。

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Hospiraは注射剤とインフュージョンテクノロジー、そしてバイオシミラーの市場で世界をリードするヘルスケア企業で、充実した製品ラインを有し、"Advance Wellness™ "の見地から、高い付加価値を創造することで、医療費の軽減と、患者や医療従事者の安全性の向上に貢献している。

Abbott Laboratoriesの病院製品部門であったが、2004年5月にスピンオフした。

社名のHospiraは従業員の投票で決まったもので、Hospital、Spirit、Inspire とラテン語のSpero (Hopeの意味)に由来している。

2007年に豪州の注射薬メーカーのMayne Pharma Ltd. を21億ドルで買収、海外進出を行った。

その後、Pliva-Croatia社のバイオ技術部門、インドのOrchid Chemicals & Pharmaceuticals のジェネリック注射薬事業、手術後の疼痛管理薬メーカーの Javelin Pharmaceuticals、病院の監視システムを扱うTheraDocなどを買収した。

約19,000人の従業員を抱え、過去1年間の売上高は約44億2200万ドル。

現在、Johnson & Johnsonの関節リウマチ治療薬「Remicade」(一般名: Infliximab)の類似薬について、FDAに承認を求めている。

 



 

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