KHネオケムは2月11日、台湾国営石油会社の台湾中油(CPC)および兆豊国際商業銀行(Mega International Commercial Bank)と合弁契約書を締結した
合弁会社を設立し、可塑剤フタル酸ジイソノニル(DINP)の原料のイソノニルアルコール工場を建設する。
総投資額は、日本円にして500億円規模となり、日台間の石油化学分野では過去最大級の投資事業となる。
社名 曄揚股份有限公司(Taiwan-Japan Oxo Chemical Industries Inc.) 出資 KHネオケム 47% 生産に関する特許技術を提供 CPC 47% 原料の安定供給 兆豊国際商業銀行 6% 財務面で協力 立地 高雄臨海工業区 能力 イソノニルアルコール 年産 180千トン ブテン3量体 21千トン 投資額 137億台湾元(約520億円) 完成予定 2019年
イソノニルアルコールは、耐熱特性等の優れた性能を有し主に自動車・電線・建材用途において世界的に需要が拡大している可塑剤ジイソノニルフタレート(DINP)等の原料となる高級アルコールであり、KHネオケムの主要製品のひとつ。
KHネオケムは旧称 協和発酵ケミカルで、2011年3月に協和発酵キリンが日本産業パートナーズの買付会社ケイジェイホールディングスに譲渡、2012年4月に改称した。
2010/10/27 協和発酵キリン、子会社の協和発酵ケミカル売却で合意
KHネオケムは千葉工場に年産 100千トンの工場を持つ。
独自技術及びノウハウを豊富に有しており、需要の伸びが著しい中国、インドなどアジア諸国の需要拡大に対応し、価格競争力のある原料を調達するために有利な立地での生産拠点新設を目指して検討を重ねてきた。
一方、CPCは主力のガソリン・燃料事業から、より付加価値の高い石油化学等の川下事業への展開強化を模索しており、その一環として合弁会社への原料供給を含めた本事業への展開を決断した。
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イソノニルアルコールの生産技術を持つ企業は世界で5社のみといわれ、KHネオケムはそのうちの1社。
・ KHネオケム
・ BASF
・ Evonik
・ ExxonMobil
・ 南亜塑膠工業 (台湾プラスチックグループ)
上記のほかに三菱化学が水島で独自のロジウム触媒法の35千トンプラントを持っていたが、2001年3月末に停止した。
三菱化学は、オキソアルコール事業の多様化の一環として1987年よりINAの生産を行ってきたが、操業開始以来厳しい事業運営を続けてきており、今後、INA需要の伸びは期待できるものの、さらなる収益の改善が見込めないことから停止を決定した。
BASFは2012年7月、Sinopec
との間で世界最大級のイソノニルアルコールプラント建設に関する覚書を締結した。
建設予定地は広東省の茂名高新技術産業開発区で、50/50JVのMaoming
Petrochemical BASF を設立し、工場を建設中。
Evonikは2013年1月、マレーシアのPetronasのRAPID計画の一環として、Petronasとの間で過酸化水素、1-ブテン、オキソ製品のJVを設立する覚書を締結した。
報道では過酸化水素は25万トン、1-ブテン 11万トン、イソノニルアルコール 22万トンとなっている。
2014/8/25 東洋エンジニアリング、マレーシアで大規模石化プラント受注
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