米国で石油精製産業のストライキ

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全米鉄鋼労組(USW:United Steelworkers) の石油精製産業の労働者が35年目に初めてのストライキを始めた。

米国鉄鋼労組は北米最大の民間部門労働組合で、金属、鉱山、ゴム、森林、エネルギー、化学など86万人の労働者を代表する。
正式名は、The United Steel, Paper and Forestry, Rubber, Manufacturing, Energy, Allied Industrial and Service Workers International Union

エネルギー部門では65の精油企業、230の精油工場、精油ターミナル、パイプライン労働者、約3万人が加入している。

石油労働者を代表する鉄鋼労組と、エネルギー業界を代表するShellは、1月21日から賃金と作業場の安全条件などをめぐる交渉を行ったが、意見の相違を狭められなかった。

全国水準の団体交渉は3年ごとに行われる。3万人のうち多くの労働契約は1月31日付で終了した。

労組側は、賃上げの他にも超過労働、不安定な労働条件、火災や化学ガス放出と漏出、爆発などの危険な作業場の安全要件、労組弾圧、非組合員の契約職拡大などの問題の改善の要求をしている。

鉄鋼労組の国際委員長は「Shellが交渉を拒否して席を立った」とし「われわれは操業を中断することしか選択肢がない」と明らかにした。
会社側は健康や安全問題を協議するのを拒否したとされ、特定の問題の協議拒否や情報提供を不当に遅らせ、スト参加労働者を脅すなど、不誠実な交渉をしていると非難し ている。

2月1日正午から9つの工場でストライキに突入、2月8日に更に2工場が参加し、下記の合計11工場、スト参加者は5200人となっており、更に増える可能性がある。


これ以外の工場では、旧労働協約を1日ごとに延長して操業を続ける。

Shell Deer Park, TX   化学プラント & 製油所
Lyondell Houston, TX 製油所
Marathon Petroleum Catlettsburg, KY 製油所
Texas City, TX Cogeneration 設備 &製油所
Tesoro Corp Carson、CA 製油所
Martinez, CA
Anacortes, WA
 
BP Whiting, IN 製油所
BP/Husky Energy(50/50) Toledo, OH


交渉は10日まで行われたが、合意に至らず、18日まで中断される。
Shell側が、組合の要求する情報準備に時間がかかるとした。

原油価格の大暴落により石油精製会社側も、人員削減や予算カットを計画しており、双方の隔たりが大きい。

全米規模で製油所のストが行われたのは1980年以来。
企業側のスト破りで、11の施設で生産が止まっているのはTesoro のMartinez工場だけ 。現在のところは石油精製への影響は軽微にとどまっているが、今後については不明。

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日本企業関連のストライキでは、Bridgestone Firestone と全米ゴム労組(URW)の争議がある。

1994年7月に労働協約の改訂をめぐってストライキに突入、1995年5月に組合側が無条件でストを中止し終了したが、クリントン大統領が「スト参加者を新規採用者と入れ替えるのは、労働争議を平和的に解決する米国の伝統に反し、目に余る行為だ」と会社側を批判するなど、大きな問題となった。

スト中止後、全米ゴム労組は全米鉄鋼労組に吸収合併された。

 

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