女優のAngelina Jolie、癌予防で卵巣も摘出

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米国の女優 Angelina Jolie(39)が卵巣癌の予防のため、すべての卵巣と卵管の摘出手術を受けたことを明らかにした。
3月24日付けのNew York Timesに"Diary of a Surgery" というタイトルで寄稿した。

彼女の場合、癌抑制遺伝子BRCA1の変異があり、2013年には乳癌予防の目的で両乳房の切除手術を受けていた。

乳房の手術を決めた際に、医師から「乳癌になる確率が87%、卵巣癌の確率が50%」と告げられていたが、2週間前、血液検査で卵巣癌につながる異常がわかり、検査を経て手術を決断した。

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乳癌に関して、癌抑制遺伝子BRCA1、BRCA2 (Breast cancer susceptibility gene ) が見つかっている。

通常は、DNAの損傷変異が修復できないぐらい多数に及ぶ場合、BRCA1タンパク質が機能し、増殖シグナルを停止し、癌の発生を防止する。

      松本邦夫・金沢大学がん進展抑制研究所教授の「知の拠点セミナー」資料

しかし、遺伝子変異でBRCA1の機能が破綻すると、遺伝子異常をもった細胞が蓄積し、癌が発生する。

変異したBRCA1・BRCA2遺伝子は世代から世代へと受け継がれる特徴があり(1/2の確率で親から子へ遺伝)、遺伝のパターンとしては[卵巣癌のみ][乳癌と卵巣癌][卵巣癌と結腸癌]という3種類が確認されている。

乳癌の場合は卵巣癌も、卵巣癌の場合は結腸癌の心配もしなければいけない。

Angelina Jolieは母親・叔母を乳癌で亡くし、母方の祖母も卵巣癌のため40代で命を落としている。

特にBRCA1は、若い年齢で乳癌を発症する可能性が高く、40歳過ぎてからの卵巣癌のリスクも高い。しかも治療が難しい。

そのため、Angelina Jolieはリスク低減手術に踏み切った。

寄稿の最後で、「助言を求め、自分に合う選択をしてほしい。知識こそ力です」と、女性にメッセージを送った。

"It is not easy to make these decisions. But it is possible to take control and tackle head-on any health issue. You can seek advice, learn about the options and make choices that are right for you. Knowledge is power".

 


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