以前に、NHKのBS世界のドキュメンタリー 「ガスランド ~アメリカ 水汚染の実態~」について報告した。
2011/8/8 「ガスランド ~アメリカ 水汚染の実態~」
3月9日深夜のBS世界のドキュメンタリー「シェールガス開発がもたらすもの」を見た。今も同じ状態であることが分かる。
NHKホームページから
シェールガス開発が進む南アフリカ。より環境への負担が少ないとされるが、疑問を持ったディレクターがアメリカの採掘現場へ飛ぶ。その取材からは厳しい現実が見えてくる。
南アフリカの南部ではシェールガス開発が計画され、住民は経済発展と雇用創出に期待を寄せている。しかし地元で育ったディレクターのミナーは、シェールガス採掘で被害を受けたというアメリカ人とのネットでのやりとりをきっかけに、環境への影響を危惧するようになる。開発は南アフリカの自然と人々の暮らしに何をもたらすのか。真実を確かめるため、"シェールガス革命"に沸くアメリカへ向かう。彼女が目の当たりにしたのは...。
- 原題:UNEARTHED
- 制作:Stage 5 Films / Zootie Studios (南アフリカ 2014年)
(再放送 3月17日 火曜 午後6時00分~6時50分)
南アのKaroo
地区でShellによるシェールガス開発が計画される。
この地区で生まれた女性ディレクターのJolynn Minnaar は最初は楽観的だった。
Shellは水圧破砕法(fracking ) は安全であり、60年の実績があり、貧しいKaroo地区に繁栄をもたらすと説明した。
しかし、シェールガス採掘で被害を受けたというアメリカ人とのやり取りで現地視察を決めた。18ヶ月にわたり調査を行い、400人以上にインタビューした。
現地でいろいろの問題を知る。
水溜りでブクブク出るガスを集めると火がつく。水道水が燃える。
真っ黒な井戸水(EPAは色が着いているだけで害はないとする)。
連絡してきたアメリカ人は会うのを拒否、その後もインタビュー拒否が続く。
学者などから以下のことを知る。
・ 「60年の実績」は嘘。1980年代までの技術と今使われている技術(1990年以降)は全く異なる。
・「Frackingは安全」という言葉に注意が必要。
業者が安全と言っている「fracking」は水平抗での水圧破砕そのもののこと。
危険なのはその部分でなく、掘削井戸の地表周辺。
膨大な水、化学品、砂などを使用する。
化学品そのものに危険なものがあり、地中の物質と反応して発がん性を生むものもある。
井戸掘削でセメント処理がうまくいかないと、汚染水やガスが漏れる。
掘削済みの古い井戸は監視されていない。
・ 業者は問題が発生するとすぐに被害者と交渉し、被害を補償する。
そのときに「相互秘密保持契約」を締結するため、被害者は被害について官庁も含め、外部に漏らすことは出来ない。
これが実際に問題があるのに、「問題は一切ない」と公表されている理由であり、取材拒否の理由である。
南ア政府は計画を進めることを決めた。
彼女は帰国し、現地シェルの社長にインタビューする。
社長はシェルでは水圧破砕で環境に影響を与えたことは一切ないと断言した。
彼女が、ペンシルベニア州でのシェルによる掘削でメタンが井戸水に混入した事例(官庁もシェルも認めた)があり、他にも、シェルだけでなく他社にも同様の事例が多く起こっている、秘密保持契約で明らかにされないだけではないかと伝えると、社長は開き直って言った。言葉を慎重に選んで話している。「水圧破砕」と井戸水の汚染に直接の因果関係がある事例はない。一般的な掘削作業については記録された汚染は勿論たくさんある。
本ドキュメンタリー "Unearthed" のホームページは http://www.un-earthed.com/
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