ChemChinaの任建新董事長は同日「世界で活躍できるタイヤ企業として市場をリードしていきたい」との声明を発表した
Pirelli は 1872年の創業で、ブリヂストン、フランスの Michelin、米Goodyear、
独 Continentalに次ぐ世界5位のタイヤメーカー。
中国でも「倍耐力」のブランドでよく知られている。
ChemChinaがタイヤ製造子会社・中國化工橡膠(China National
Tire & Rubber)を通じ、Pirelliの持株会社Cam Finanziaria (Camfin)から発行済株式の26.2%を買い取る。
価格は両社で合意したPirelliの価値 71億ユーロ(約9200億円)で計算した1株当たり15ユーロ。前週末終値(15.23
ユーロ)とほぼ同額で、株価は身売り観測で上昇していた。
中國化工橡膠は投資会社を設立し、残り全株を1株15ユーロでTOBを行う。TOBは夏にも開始し、年内にも買収手続きを終えたいとしている。
Pirelliの持株会社Camfinの出資者も売却収入の一部を出し、中國化工橡膠 の投資会社に49.9%出資する。その後のTOBの資金を出せば、この出資比率を維持できる。
新Pirelliは本社はイタリアに置き、PirelliのMarco Tronchetti Provera会長と現経営陣が引き続き経営に当たる。会長は退陣時期を自分で決める権利を持つ。
Camfin の出資者は、Marco Tronchetti Provera会長のNuove Partecipazioni と2つの銀行及びロシアの国営石油会社Rosneftである。
Rosneft は2014年3月、間接的にイタリアのタイヤメーカーPirelli の筆頭株主になる契約を締結した。Pirelliの最大株主はPirelliの会長のMarco Tronchetti Proveraと投資会社のClessidra 及び2つの銀行が出資する持株会社Cam Finanziaria (Camfin) だが、交渉の結果、Camfinを解散し、新しい持株会社をつくり、Rosneftが50%を出資する。Clessidra は離脱し、会長と2つの銀行は新比率で出資することとなった。
最終的にRosneft のPirelliへの出資比率は13.1%となり、Marco Tronchetti Provera会長の10.5%を上回り、最大株主となった。
Cam Finanziaria
(Camfin)Nuove Partecipazioni
(Marco Tronchetti Provera)39.09% → 新持株会社
CamfinRosneft 50% Pirelliの13.1% Clessidra SGR
(private equity company)24.06% 新会社 Nuove Partecipazioni
(Marco Tronchetti Provera)80% 50% Pinelliの10.5% Intesa Sanpaolo
(bank)18.43% Intesa Sanpaolo
(bank)10% Pinelliの1.3% Unicredit
(bank)18.43% Unicredit
(bank)10% Pinelliの1.3%
2014/3/25 ロシアのRosneft、イタリアのタイヤメーカー Pirelli の筆頭株主に
中國化工橡膠の投資会社(Pirelliの26.2%保有)は下記の通りとなる。
Camfin出資者は、今後のTOBの費用を負担すれば、合わせて最高49.9%の出資を維持できることとなる。
計画通り進めば、ChemChina
は高級タイヤを製造する技術にアクセスでき、Pirelliは巨大な中国市場での地位を強化できる。
Pirelliは2005年に山東省兗州(Yanzhou)市に進出、約4億USドルの投資を行ってきた。2011年11月に発表されたビジネスプランに沿って、2014年までに2億USドルの追加投資を行い、乗用車用タイヤ生産能力を拡張、2011年の410万本から、年間1,000万本以上に生産量が増加させた。
Pirelli の不採算のトラック用及び工業用タイヤ事業は中國化工橡膠及び同社の子会社のオールスチールトラックタイヤのメーカーAeolus Tyres (風神輪胎)の資産と統合する。
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