中国の国家統計局は3月11日、本年1~2月の主要経済統計を発表した。
中国の統計は旧正月連休の時期が年によって異なるため、1~2月を合算する。
それによると、生産、消費、投資、消費の伸び率が軒並み鈍化している。
鉱工業生産は前年同期比 6.8%増で、リーマンショックの影響で生産が落ち込んだ2009年1~2月以来、6年ぶりの低水準だった。
消費の強さを示す小売り売上高も10.7%増で、9年ぶりの低い伸びとなった。
固定資産投資は前年同期比で13.9%の増にとどまった。(毎月は年初からの累計)
民間投資、不動産開発投資も伸びが鈍化している。
既に発表された統計でも同じである。
2月の生産者物価指数(PPI) は 国内の需要の弱まりを反映し、前年比マイナス4.8%で、5年4カ月ぶりの下落幅となった。
消費者物価指数(CPI) の上昇率も2月は1.4%にとどまった。
政府はCPIの目標を昨年は3.5%としていたが、2015年については「3%前後」に引き下げた。
政府は経済成長目標を、過去3年の7.5%から今年は7%に引き下げた。
政府は「量」から「質」への「新常態」(ニューノーマル)への移行を目指すが、これ以上の停滞は避けたい。
中国人民銀行は2月5日から預金準備率を引き下げ、3月1日からは基準金利を引き下げた。
(人民銀行総裁は3月12日、2014年11月に基準金利の1.2倍に引き上げ、今回さらに1.3倍に引き上げた預金金利上限を「年内になくす可能性が非常に高い」と述べた。)
市場では更なる金融緩和を求める声が出ている。
また、中国人民銀行は本年初めから、毎日発表する人民元の基準値を元安方向に設定しているが、変動幅2%の下限に張り付いている。
最近になって、米国企業に「ドル高」の悪影響が出始めており、また中国叩きが起こる可能性がある。
付記
中国人民銀行(中央銀行)が3月17日以降、断続的に人民元買い・ドル売り介入、基準値も引き上げ
過度な元安が中国からの資本流出につながることを懸念したとされる。
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