国際石油開発帝石は3月23日、原油価格の下落等に基づく事業環境悪化を踏まえ、減損テストを実施した結果として下記の固定資産減損損失の計上を発表した。
1) カナダJoslyn Oil Sand計画 約275億円
2) チモール海共同石油開発地域 JPDA06-105鉱区 約75億円
原油価格下落に伴い、減損損失の計上が相次いでいる。
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1) カナダJoslyn Oil Sand計画国際石油開発帝石ホールディングスは2007年11月、仏 Total からカナダのアルバータ州のJoslyn Oil Sand上流開発プロジェクトの10%の参加権益(含付随パイプラインへの権利)を取得するとともに、同州エドモントンでTotalの計画するオイルサンド改質(合成原油製造)プロジェクトに参加する権利を取得した。
Joslyn Oil Sand上流開発プロジェクトは、カナダ・アルバータ州アサバスカ地域フォート・マクマレーの北西約60kmに位置する3 つの陸上のリース鉱区で実施されている。
鉱区面積 | 約220km2 |
権益保有者 | 国際石油開発帝石 10% Total 38.25% Suncor 36.75% Occidental 15% |
計画 | 2010年代初頭 日量10万バレル露天掘り 第二段階 日量23万バレル |
オイルサンド改質プロジェクトは、Total がアルバータ州エドモントンに改質プラントを建設し、2010 年代前半までに、第一段階として日量13 万バレルの合成原油をオイルサンドから製造することを計画。
2) チモール海共同石油開発地域 JPDA06-105鉱区 約75億円
同社はチモール海共同石油開発地域において、JPDA06-105鉱区と、バユ・ウンダンプロジェクトに参画している。
JPDA 06-105鉱区 キタン油田 今回減損損失計上
権益比率
ENI (Operator) 40% 国際石油開発帝石 35% Talisman Energy (加) 25%
2001年10月より生産開始
Bayu-Undan
Conoco Phillips 56.72% ENI 12.04% Santos (豪) 10.64% 国際石油開発帝石 10.53% Tokyo Timor Sea Resources
(東京電力 2 /東京ガス 1)10.08%
埋蔵量 石油分約4億バレル(コンデンセート・LPG)と天然ガス約3.4兆立方フィート(LNG換算約8,000万t)
同社はオーストラリアにおいては、世界的にも大規模なLNGプロジェクトであるイクシスプロジェクトの開発を推進している。
2009/9/18 Chevron、豪州でのGorgon Natural Gas Project 実施の最終決定 後半に記載
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住友商事は2014年9月に減損損失計上を発表したが、2015年3月25日、損益予想を大幅に下方修正した。
米のシェールオイルや北海油田の減損損失を追加し、米国のタイトオイルの減損損失なども追加した。
損益予想修正の要因となった主な事業は下記の通り。
計上損失 |
2015/3 見直し |
|||
見直し後 | ||||
米 タイトオイル | -1700億円 |
保有資産譲渡 |
-2000億円 |
継続方針の南部地区の減損 |
豪 石炭 | -300億円 | 石炭価格下落 | -260億円 | |
ブラジル 鉄鉱石 | -500億円 | -650億円 | ||
米 タイヤ事業 | -200億円 | -220億円 | ||
米 シェールガス、 北海油田 |
ー | -400億円 | 原油・ガス価格下落、事業計画見直し | |
(合 計) | -2700億円 | -3520億円 | ||
税効果等 | 300億円 | 280億円 | ||
株主帰属損益 | -2400億円 | -3250億円 |
同社の2015年3月期連結決算業績予想の推移は下記の通り。(百万円)
売上高 | 税引前利益 | 株主帰属利益 | |
2014/5/1発表 | 8,600,000 | 332,000 | 250,000 |
2014/9/29発表 | 8,600,000 | 62,000 | 10,000 |
(増減) | (-270,000) | (-240,000) | |
2015/3/25発表 | 8,600,000 | -33,000 | -85,000 |
(当初比) | (-303,000) | (-335,000) |
同社は同日、新しい中期経営計画を発表した。
そのなかで、次の点が挙げられている。
「成長戦略の推進」 資源上流ビジネスの取り組み方針見直し →非資源分野にシフト
「経営改革の推進」 リスク管理の抜本的な見直し・強化
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