三菱ガス化学・三菱商事・三菱重工の3社、トリニダード・トバゴでのメタノール事業で契約

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三菱ガス化学、三菱商事および三菱重工業は4月13日、トリニダード・トバゴのNational Gas Company of Trinidad and Tobago Limited (NGC)および Massy Holdings Ltd.との間で、メタノール/ジメチルエーテル製造販売事業を進めることで合意し、プロジェクト契約、製造プラントのEPC(設計・調達・建設)契約、ガス供給契約等、主要な契約に調印したと発表した。

三菱ガス化学と三菱商事は2013年4月、トリニダード・トバゴ政府及び同国のNeal & Massy Holdingsとともに、この事業を検討することに合意し、NGC とNational Energy Corporation of Trinidad and Tobago (NEC)も加わり、Project Development Agreement を締結、第一段階実施のため、Caribbean Gas Chemical を設立した。

2013/4/12  三菱ガス化学と三菱商事、トリニダード・トバゴでメタノール/DMEの製造事業F/S に合意

このたび、最終的に事業を進めることで合意し、建設を担当する三菱重工も出資者に加え、必要諸契約を締結した。

計画概要は下記の通り。

JV名 Caribbean Gas Chemical Limited(2013 年3 月設立)
所在地 La Brea, Union Estate Industrial Estate
生産量 メタノール=100 万トン/年
ジメチルエーテル=2 万トン/年
出資比率
三菱ガス化学 26.25% メタノールを世界中で販売  
三菱商事 26.25% メタノールを世界中で販売  
三菱重工 17.5% プラントの設計から建設までを担当  
National Gas Company 20.0%    
Massy 10.0% メタノールを世界中で販売  
総投資額 約1,000 百万US$
完工時期 2018 年6 月予定

三菱ガス化学、三菱商事、Massy の3 社は、生産されるメタノールを世界中で販売すると同時に、トリニダード・トバゴ共和国政府と協力し、同国並びに周辺カリブ諸国において、ジメチルエーテルのディーゼル燃料代替促進に向けたプロモーションを行う。

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Trinidad Tobagoには豊かな石油と天然ガスの資源があり、石油と天然ガスがGDPの40%、輸出の80%を占める。

同国の天然ガスを利用する合計7つのメタノールプラントがPoint Lisasにあり、能力合計は660万トンに達する。

(1)   国営 Trinidad and Tobago Methanol Company

1999年に子会社を統合した。
下記のメタノール5工場のほか、アンモニア/尿素プラントを持つ。

子会社
統合
Trinidad and Tobago Methanol Company (TTMC) 1984年 TTMC I 46万トン
1996   TTMC II 55万トン
Caribbean Methanol Company Limited (CMC) 1993 50万トン
Methanol IV Company Limited (MIV) 1998 55万トン
M5000
(5000T/D+既存プラント排ガスで400T/D)
2005 184万トン
合計   400万トン

(2)   Methanex 及び Atlas Methanol

工場 能力  備考
Methanex   85万トン  
Atlas Methanol  170万トン  BP 36.9%/Methanex 63.1%


政府は、メタノールをそのまま海外に輸出するのではなく、これを原料にMethanol-to-olefins (MTO) 、Methanol-to-petrochemicals (MTP) により
付加価値の高いプラスチック産業の基礎をつくるという悲願を持っており、同国側は本計画の第二期でこれらを実施することを望んでいるとされる。




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