米国のジェネリック医薬品大手のMylan N.V. は4月8日、アイルランド製薬大手のPerrigo Company plc に買収を提案したと発表した。
4月6日にPerrigoに対し現金と株式交換で1株当たり205ドルでの買収を示した。提案前の終値を25%上回るもので、買収総額は300億ドル近くにのぼる見通し。
欧米で大衆薬や健康食品を手掛けるPerrigoの買収を通じて後発薬以外にも事業を多角化し、顧客基盤を広げる考え。
Mylanでは、ユニークで比類のない多角化したグローバルな医薬業界のリーダーになるとし、「両社の組み合わせは短期的にも、また長期的にも価値の創造につながる」と述べ た。大衆薬、健康食品を商品群に加え、世界の主要市場で事業基盤を拡大するとしている。
Perrigo は提案を「検討する」と発表した。両社の2014年ベースの合計売上高はおよそ153億ドルに達する。
付記
Perrigoは4月21日、同社の取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した。
Mylan の提案はPerrigoの価値とその将来の成長見通しを「著しく過小評価」しているとしている。
Mylanは米国のほか英国など欧州にも拠点を持つ。今年に入り、米製薬大手Abbott から米国以外の先進国市場の後発医薬品事業を買収した。
2014/7/21 MylanがAbbottのジェネリック事業の一部を買収、本社移転も目的の一つ
Perrigoは1887年にミシガン州で設立された企業で、"Quality
Affordable Healthcare Products®"をモットーに、多くの種類のOTC healthcare
製品、ジェネリック医薬品、乳児用調整乳など幅広い製品を扱っている。
当初はGeneral storeであったが、ビタミンやヘルスケア製品などへ順次進出した。
2005年にイスラエルのジェネリック医薬品企業 Agis Industries
を買収するなど、拡大を続け、2013年にアイルランドの医薬品会社Élan を買収し、本部をDublin に移した。
2014年11月にベルギーに本拠を置く OTC healthcare のOmega Pharma NVを36億ユーロで買収した。
Omega 買収後の年間売上高は57億ドルで、製品構成は下記の通り。
Perrigo Consumer Healthcare 鎮痛剤 8% 禁煙製品 4% 咳止め、風邪薬 9% 胃腸薬 7% 動物薬 3% その他 8% 合計 39% Omega OTC 28% Perrigo Nutritionals 乳児用調整乳 7% 栄養剤・ビタミン 3% 合計 10% Consumer 製品合計 77% ジェネリック医薬品 16% 医薬品原料 4% ロイヤリティ収入* 3% 合計 100%
* 多発性硬化症薬 Tysabri®のロイヤリティをBiogen から受け取っている。
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