米国の消費者らが複数の自動車部品メーカーを相手取って起こしていた集団訴訟で、被告のなかの1社であるパナソニックがこのほど和解に基本合意した。
原告と被告が3月19日にミシガン州の連邦裁判所に報告した。
パナソニックの部品を使った自動車の購入者等が集団訴訟をしたもので、パナソニックと他の部品メーカー(東海理化、デンソー、市光工業を含む)が部品価格でカルテルを結んでいたとしている。
対象となった部品は転舵角センサー、スイッチ、HIDバラストの3つで、それぞれ区分して訴訟が行われた。
パナソニックは数ヶ月前から和解の交渉を始め、本年2月に大筋で合意した。
パナソニックは解決金として、転舵角センサーで約630万ドル、スイッチで約530万ドル、HIDバラストで約550万ドル、合計1710万ドルを支払う。
それに加え、パナソニックはそれぞれの集団訴訟の原告に対し、資料、証言、インタビュー、その他の情報を提供する。
原告側はこれら資料を他の被告企業との訴訟で使用できる。
原告側は、裁判手続き無しでこれらの資料を得られるのは非常に役立つ、パナソニックの協力は原告側の立場を非常に強化すると歓迎している。
他の日本企業にとっては大きな痛手となる。
米国では自動車部品カルテルで、現在までに32社が司法省と和解し、総額24億38百万ドルの罰金を払っている。
うち4社が外国法人で、残りは全て日本企業である。
また、責任者が合計50名起訴され、うち29名が禁固刑・罰金刑を受けている。
このうち、パナソニックは2013年7月に司法省との間で罰金4580万ドルの支払いで和解、責任者1名が2013年9月に起訴されている。
最新リスト 2014/11/19 米国、自動車部品カルテルの摘発続く
独禁法による訴訟とは別に、自動車部品の需要家や自動車ディーラー、消費者等による集団訴訟が相次いだ。
2013年2月に日本精機が初めて和解に応じ、600万ドルを支払った。
矢崎総業と米国のTRW Automotive
Holdingsの独子会社は2014年6月4日、和解案に合意した。
2014年9月の矢崎の発表によると、和解金は自動車の購入者に7600万ドル、販売店に2400万ドルの合計1億ドルとなっている。
和解の実績は以下の通り。
司法取引での罰金 | 集団訴訟 | ||
日本精機 | 自動車用計器 | 2012/8 100百万ドル | 2013/12 和解額 600万ドル |
Lear Corp. | wire harnesses | ---- | 2014/5 和解額 875万ドル |
Autoliv Inc | seatbelts, airbags, steering wheels | 2012/6 1450万ドル | 2014/6/3 和解額 6500万ドル |
矢崎総業 | wire harnesses |
2012/1 470百万ドル 社員6名が禁固刑と罰金 |
2014/6/4 和解額 1億ドル |
TRW Deutschland | seatbelts, airbags, steering wheels | 2012/7 510万ドル | 2014/6/4 和解額 非公表 |
ティラド | ラジエータ等 | 2013/9 1375万ドル | 2014/10 和解額 975万ドル |
2014/6/19 矢崎総業、ワイヤーハーネスの価格カルテル問題で米国の集団訴訟で和解
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