3人については水俣病の典型的な症状である手足のしびれが確認できたが、2人には症状がみられなかった。
3人のうちの70代女性2人は水俣病の被害者団体「阿賀野患者会」のメンバーで、支援する弁護士などが3月30日に2人の異議が認められたことを明らかにしていた。
特措法を巡って行政が異議を認めたのは初めて。
県は数日以内に医療費などが無料になる被害者手帳を支給する方針だが、環境省は下記の通り、異議申し立て自体を認めておらず、原因企業の昭和電工からの一時金が支給されるかどうかは不透明。
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厚労省は2014年8月29日、水俣病被害者救済特別措置法に基づく救済措置に係る判定結果を発表した。
2010年5月1日から2012年7月31日まで救済に係る申請を受け付けた。各県における判定結果は以下の通り。(新潟県は暫定値)
一時金対象 | 療養費対象 | 該当せず | 合計 | 従来の保健手帳(廃止)から被害者手帳への切替 | ||||||||||||
水俣病 (チッソ) |
熊本 | 19,306 | 3,510 | 5,144 | 27,960 | 14,797 | ||||||||||
鹿児島 | 11,127 | 2,418 | 4,428 | 17,973 | 1,998 | |||||||||||
新潟水俣病 (昭和電工) |
新潟 (暫定) |
1,811 | 85 | 77 | 1,973 | 29 | ||||||||||
合計 |
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判定基準 | 手足の先の感覚(触覚、痛覚)が鈍いなどの症状 | 左には当たらないが、しびれや震え等の一定の症状 |
判定無しで切替 |
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救済処置 | 一時金210万円 |
療養費 (医療費自己負担分など) |
医療費自己負担分支給 |
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療養費 (医療費自己負担分など) |
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療養手当 (月12,900~17,700円) |
救済法は原則、1969年11月30日までに生まれた人を救済対象に指定している。
熊本県では、その後に生まれた466人からも申請があり、へその緒でメチル水銀摂取が確認できるなどした4人が救済対象に認められた。
2014/9/1 水俣病被害者救済特別措置法の判定結果 (経緯を含め、記載)
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水俣病被害者の救済措置に申請し、対象者に当たらないとの関係県の判定を受けた患者の一部が、行政不服審査法第6条に基づく異議申立書を出した。
しかし、環境省は、救済措置の判定は行政処分ではなく、行政不服審査法に基づく異議申立ての対象には当たらないと法律の解釈をしている。
環境省 「救済措置に関するQ&A」では以下の通り説明している。
https://www.env.go.jp/chemi/minamata/shinsei/pdf/qa_kankyosho.pdf行政機関のすべての行為が行政不服審査法上の「処分」に当たるわけではない。
法律により、行政機関が、相手方に対して優越的に、相手方の権利義務を形成したり、その範囲を確定したりするような効力のある一方的な行為は、行政処分に当たるとされている。特措法は、水俣病被害者を救済し、紛争を終結させるために、救済の基本的な考え方や当事者の役割を定めたに過ぎない。
関係県が行っている判定は、国家賠償訴訟での和解協議で合意された救済対象者の基準に当てはまるかを確認する作業であり、行政機関が処分者として基準を定め、優越的かつ一方的に判定する行政とは異なる。
したがって、救済措置の判定は、行政不服審査法上の「処分」の概念には当てはまらず、異議申立ての対象にならないと考えている。
これに基づき、熊本、鹿児島両県も申し立てを却下している。
しかし、新潟県は異議申し立てを認め、審理することとした。
泉田裕彦知事は2013年3月15日、以下の発表をおこなった。
療養費及び療養手当は、県の判定結果により水俣病被害者特措法第5条第7項に基づいて関係県が支給することとなっています。
すなわち、県の判定結果が、申請者の法的地位に変動をもたらすことになります。
従って、同法に基づき定められた救済措置の方針により判定を行うことに処分性が認められますので、異議申立てを行政不服審査法に基づき受理したものです。
なお、人間には誤りというものがあり得るものです。司法であっても裁判をより慎重に行い国民の権利を守るため、三審制をとっています。
本件においても、判定結果に違和感を感じている人がいる以上、異議申立てを受けて真実を追求していくことが必要と考えており、この度、異議申立ての審理を行うものであります。『患者の結果理解に必要』なため、異議申立ての審理を行うものではありません。
今回の決定は、この異議申し立てに基づく審理の結果である。
環境省は、救済対象者の基準に当てはまるかを確認する作業に過ぎないとするが、判定基準は「手足の先の感覚(触覚、痛覚)が鈍いなどの症状」や「左には当たらないが、しびれや震え等の一定の症状」など、単純にYes か No かを決めるようなものではなく、県による「範囲を確定したりするような効力のある一方的な行為」であり、新潟県の判断の方が妥当と思われる。
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