約30キロメートル離れた場所でも爆発に伴う炎や煙が目撃された。
消火活動には、地元消防隊430人ほか、人民解放軍の化学防護隊120人、洗浄車5台などが投入された。また南京軍区175医院の専門家数名も現地入りしている。
地元メディアによると14人が負傷し、うち2人が重傷という。被害者の数はさらに拡大する可能性もある。
現場では有毒なガスが発生しているということで、消防などは周辺の住民を避難させるとともに爆発の原因を調べている。
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2006年11月、台湾資本のDragon Group(騰龍グループ)は福建省厦門の海滄投資区で芳香族とPTAプラントの建設に着工した。
2006/7/31 台湾資本のDragon Group、福建省厦門でPXからPETまで一貫生産へ
しかし、「事故が起こると何千トンもの毒物が放出される」といった内容の記事がインターネットに次々掲載され、大きな反対運動が起こった。
このようなメッセージも流された。
「騰龍グループはパラキシレン計画を開始した。非常に毒性の強い化学品が製造されると、厦門全体が原爆にやられるようなもので、みんなが白血病にかかり、奇形児が生まれる。我々は健康な生活をしたい。国際機関はこのような計画は住宅地から100km離すことを義務付けている。厦門は16kmしか離れていない。子孫のために、この情報を皆に知らせよう」
2007年12月、福建省と厦門市当局は騰龍アロマティックスの海滄投資区での芳香族計画を取り止め、これを福建省Zhangzhou市の古雷半島に移転させることを決定した。
2009年5月、古雷半島で2年遅れで建設が始まった。
2007/6/11 中国のインターネット反対運動が石化計画を止める
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その後、パラキシレンに対する反対運動は各地に広まった。
Sinopecは2012年10月、浙江省寧波市で計画していたパラキシレン工場の拡張を中止することを決めた。
2012/10/30 寧波で大規模デモ受け、SinopecのPX増設取り止め
遼寧省大連市で2011年8月、大孤山石化産業園区の大連福佳・大化石油化工有限公司のパラキシレン工場の撤去を求める市民およそ1万2,000人が市政府庁舎前に集まり、抗議を始めた。
8月8日に台風が接近した際、工場から約50mの距離にある防波堤が決壊、防波堤のすぐ近くに保管されていたパラキシレンが漏れ出す恐れが強まり、付近住民らが避難する騒ぎとなった。
市政府は当初、工場の移転を一つのオプションとして検討するとし、同時に有毒物質を出来るだけ早く取り除くとしていたが、夕方になり工場の即時操業停止と早期移転を決定し、抗議活動は収束した。
2011/8/15 中国・大連で化学工場の撤去求め デモ
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人民日報は2013年7月30日付で、「世界的にも、パラキシレン産業は何十年も事故を起こしていない」と主張する論説を掲載した。
韓国や日本、台湾などから中国に輸入されるパラキシレンが急増してきたことを説明し、生産施設が必要と力説した。
Q&Aで、「パラキシレン生産設備はすでにかなり多いのに、どうしてまだ必要なのですか?」との問いには「この10年で、わが国のパラキシレン自給率は9割から5割に下がってしまいました。世界におけるパラキシレンの需給を見れば、もっとも不足している国は中国です」と回答。
「パラキシレンの生産は安全ですか?」との問いには、「全世界でパラキシレンは数十年間も生産されてきましたが、大きな事故はいまだに発生していません」などと紹介した。
しかし、同日の朝、古雷港経済開発区にある騰龍Aromatic PX の試運転中のプラントで爆発炎上事故が発生した。未使用の水素ガス用パイプに水素を通して圧力を測定しようとしたところ、パイプが裂けて爆発したという。
工場敷地から約100メートル離れた場所にある商店では、住居部分の2階の窓ガラスがすべて割れた。1階部分の店舗ではシャッターが歪んで開けられなくなった。商店主は「寝ていた子供も驚いて目を覚まし、爆弾だなどと言い出した」、「台風に襲われた時より怖かった」などと話した。
今回、このいわくつきのプラントで爆発事故が発生した。
今後、パラキシレン工場への反対の動きが強まるのではないかと見られている。
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