中部電力、米国の天然ガス火力発電事業に参画

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中部電力は4月8日、米国オハイオ州における天然ガス火力発電事業に参画すると発表した。
本事業の事業会社であるCarroll County Energyの出資権益の20%を、開発事業者であるAdvanced Powerから取得した。


Carroll County Energyは、2017年度にCarroll County天然ガス火力発電所の完工・商業運転開始を予定している。
Advanced Power の発表では、5社からの出資で411百万ドル、10社の金融機関からの融資で488百万ドル、合計 899百万ドルが確保できた。

中部電力以外の出資者は以下の通り。

Advanced Power:スイスが本拠で、米国と欧州で発電プロジェクトの開発・建設・運営管理を行うデベロッパー
TIAA-CREF:米国最大級の資産運用高を誇る総合金融サービス会社
Ullico:労働者組織および組合従業員向けの保険及び投資会社
Prudential:世界最大級の生命保険会社

本計画の概要は以下の通り。

発電容量 700-megawatt electric generating facility
発電方式 Combined-cycle natural gas (ガスタービン:GE製 F.05)
設備 GE 7F.05 gas turbine 2基、D602 steam turbine 1基
建設業者 Bechtel
電力供給 IPP(独立系発電事業者)として北東部13州の全部または一部およびワシントンD.C.を管轄するPJMを通じて供給

本計画は、Utica とMarcellus シェールガス産地、American Electric Powerの345 kV 送電線、Kinder MorganのTennessee Gas Pipeline systemに近く、非常に競争力がある。

近年、米国では老朽化した石炭火力発電所の廃止による電力供給源の減少に対応するものとして天然ガス火力発電が期待されており、中部電力では、本発電所は高効率の新規電源として米国北東部への電力供給を行うことができ、長期にわたり安定した収益が期待できるとしている。

中部電力は伊藤忠と共に2010年に米国の天然ガス火力IPP事業に参画している。

2010年10月、伊藤忠商事と中部電力は、米国IPP事業者であるTenaska, Inc.(ネブラスカ州オマハ)他が保有する米国の5つの天然ガス火力発電所(合計契約出力:4,780MW)の一部事業権益(持分出力:約1,565MW)をTenaskから取得することで合意した。

伊藤忠商事の米国子会社Tyr Energy Inc.と中部電力が50%ずつ出資する共同投資会社を通じて保有する。

中部電力では、今後も市場動向や収益性、リスクなどに留意しながら、着実に海外事業を推進していくとともに、海外で獲得した知見を国内事業に反映することにより、エネルギーサービスの更なる充実につなげる。

 



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