インドのReliance Industries Limited (RIL) は本年4月10日にグジャラート州 Dahej でPTA工場とPET工場の操業を開始した。
PTAプラントの能力は115万トンで、PETプラントの能力は65万トン。原料パラキシレンはRILのJamnagar 製油所から供給する。
同社では同じ工場で同規模のPTAプラントを建設中で、年内にも完成する予定。
同社のこれまでのPTA能力は205万トンで、第二工場が完成する年末には合計能力は435万トンとなる。
同社はこのほかにマレーシアにBPから買収した 61万トンのPTAプラントを持っている。
2012/10/3 BP、マレーシアのPTA事業をインド
Relianceに売却
インドは世界で第二位のポリエステル生産国で、能力は540万トンとされている。
インドは年間25万トンのPTAを輸入しており、RILでは今回の増設でインドがPTA自給に近付くとしている。
PETプラントは2ライン合計65万トンで、ボトルグレードのPETレジン工場としては最大となり、同社の合計能力は115万トンとなる。
Dahej 工場にはPET原料のPTAとMEGの両方を生産している。
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能力は125万トンで、1系列ではインド最大となる。
原料のパラキシレンは同じSEZ のOMPL
Aromatics Refinery から供給を受ける。
JBF Petrochemicals は繊維会社のJBF Industries が原料への遡及のため設立した子会社。
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インドの現在のPTAの生産能力は400万トン弱だが、355万トンの増設となり、ほぼ倍増となる。
現状 | 増強 | 増強後 | |
Reliance | 205万トン | 230万トン | 435万トン |
MCC PTA India (三菱化学 66%) |
127万トン | 127万トン | |
Indian Oil Corporation (IOC) | 55万トン | 55万トン | |
JBF Petrochemicals | 125万トン | 125万トン | |
合計 | 387万トン | 355万トン | 742万トン |
三菱化学子会社のMCC PTA
Indiaの第1期プラントは、三菱化学の最新鋭の自社技術を採用し、2000年に年産35万トンの規模でスタートし、その後数次に渡る能力増強を重ね、年産47万トンとなっている。
インドの需要の伸びに対応するため、第2期として80万トンの増設を決めた。約370百万ドルの投資で2006年1月にプラント建設に着手し、2008年6月に完工した。
三菱化学は2009年2月、テレフタル酸事業の事業構造改革を発表した。
国内生産から撤退、本社機能を海外に移す。
本社機能 シンガポール 2009年6月 技術に関する本社機能 インド(西ベンガル州ハルディア) 2009年末
松山工場停止後の三菱化学のテレフタル酸供給基地は以下の通り。
国 | 場所 | 会社名 | 能力 | |
インドネシア | メラク | 三菱化学インドネシア(旧バクリー化成) | 640千トン | 83.2%出資 |
韓国 | 麗水 | 三南石油化学(三養社とのJV) | 1,700千トン | 40%出資 |
インド | 西ベンガル州ハルディア | MCC PTA | 470千トン 800千トン |
66%出資 |
中国 | 浙江省寧波市 | 寧波三菱化学 | 600 千トン | 日本側90%x61%出資 |
合計 | 4,210千トン |
2009/2/24 三菱化学、テレフタル酸事業の事業構造改革
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