BPは6月10日、"Statistical Review of World Energy 2015" を発表した。
そのなかで、2014年の6つの注目に値する事実を挙げた。
1)米国の石油生産、世界トップに
2014年の世界の生産量は88,673 千バレル/日となり、前年の86,579千バレルを2.3%上回った。
そのうち、米国は11,644千バレルで前年比で 1,576千バレル(15.9%)
増加となり、サウジ、ロシアを上回り、世界一となった。
前年比で日量160万バレルの増加は過去最大となる。
また、前年比では2012年は1,043千バレル増、2013年は1,165千バレル増となっており、3年連続で日量100万バレル増はこれも初めてとなる。
結果として、2014年の生産量は過去の米国のピークの1970年(11,297千バレル)を超えた。
シェールオイルの生産拡大によるもの。
サウジはこれに苛立ち、OPECの生産枠据置きを行い、原油価格の下落を招いた。
2014年の旧ソ連を除く非OPECの生産量は38,278千バレルとなり、前年を2,117千バレル上回った。
OPECの生産量は日量 36,593千バレル。
米国の前年比 1,576千バレル増、カナダの315千バレル増、ブラジルの232千バレル増が貢献した。
3) 石油需要の伸びの停滞
2014年の世界の生産量は88,673 千バレル/日となり、前年の86,579千バレルを2.3%上回ったが、需要は日量 92,086千バレルで前年比 0.8%の伸びにとどまった。(世界経済は3.3%増)
うち、米国の需要は 0.5%増、中国は
3.3%増に止まり、日本は 5.2%減となった。
米国や欧州は天候の影響が大きいが、中国の伸びが減少したのが大きい。
4) 中国のエネルギー需要の減少
石炭の需要は前年比で僅か 0.1% の増となった。
中国の経済調整により、エネルギー市場がドラマチックに変わりつつある。
2014年のエネルギー使用からのカーボン排出は僅か 0.5%増に止まったと推定する。
これは1998年以来、最も少ない伸び率である。(過去10年の平均は約2%の伸び)
この最大の理由は中国の開発の停滞である。
① 2014年の再生可能エネルギー(含 バイオ燃料)の伸びはPrimary energy の全体の伸びの1/3を占める。
② 2014年の再生可能エネルギーの伸び率は12%で、それなりに大きいが、過去10年の平均(15.4%)からはかなり低い。特に風力が、欧米での政府支援の減、中国の低風速の影響で、過去10年の平均の伸びの半分以下にとどまった。
全体としては、エネルギー需要の低迷のなかで、再生可能エネルギーは、それに影響を受けず、通常の伸びを示している。
コメントする