ギリシャ、EU支援条件巡り7月5日に国民投票

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ギリシャのAlexis Tsipras 首相は6月27日の午前1時(現地時間)、突然テレビ演説し、EUなどから金融支援の条件として提案されている改革案の受け入れの是非を問う国民投票を7月5日に行うと表明した。

ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領は6月26日、ギリシャ政府に構造改革を断行すれば、支援期間を5カ月間延長するとの新提案を伝えていた。
EU側は年金等のカットや消費税の引き上げなどを求めている。

首相は、債権団による提案は欧州の規則だけでなく、労働や平等、尊厳に関する基本的権利を脅かしているとした上で、「同提案はすべての関係者が納得できるものではなく、すべての人々にとって屈辱となりかねない」、「国民はいかなる恐喝からも自由だと意思を表明しなければならない」と述べた。

他方で、これはギリシャがユーロゾーンから離脱することを意味しないと述べた。

閣僚らも相次いで国民が反対に投票するよう呼びかけた。 

ギリシャへの金融支援プログラムは、今月末に期限切れを迎えるが、6月27日午後から予定されているユーロ圏財務相会合が最終局面とみられていた。

ギリシャ政府は改革案の受け入れの是非を問う国民投票を行うとしているが、EUの関係者は、国民投票の対象の改革案は最早ないとしている。


付記 

ユーロ圏19カ国は6月27日、緊急の財務相会合を開き、現行支援を延長せず、6月末で終了させることを決めた。

ギリシャ国会は6月28日未明、14時間の審議の後、国民投票実施について、賛成178票、反対120票の賛成多数で承認した。


付記  オバマ大統領とメルケル独首相は6月28日、電話会談し、ギリシャをユーロ圏にとどめる方法を模索することが「非常に重要」との認識で一致した。

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7月5日の国民投票ということは、ギリシャが6月30日のIMFへの15億5千万ユーロの返済が出来ないことを意味する。
IMFのラガルド専務理事は「6月30日に返済がないと、
7月1日にはギリシャはデフォルト状態になる」と警告し、「猶予期間や延期はない」としていた。

EUのギリシャに対する金融支援プログラムも6月末で終了する。

EUは2月にギリシャに対する金融支援プログラムの期限を6月末まで延長したが、経済の構造改革を進めなければ支援を実行しない、との条件をつけ、72億ユーロの融資を凍結している。

欧州中央銀行(ECB)が今後もギリシャ中央銀行にギリシャの銀行への緊急流動性支援(ELA)を認めるかどうかの問題もある。

欧州中央銀行(ECB)は2月4日に、ギリシャ国債に対する適格担保ルールの適用除外を停止することを決めたと発表し、ギリシャの銀行が担保として差し入れているギリシャ国債は、2月11日をもって適格担保要件を失った。

このため、ギリシャの銀行はギリシャ中央銀行による緊急流動性支援(ELA)での資金供給に頼るしかなくなったが、ECBにはこれを許可しない権限があり、2週間ごとに手続きを見直すこととなっている。

預金引き出しが続いているギリシャの銀行が6月29日以降に営業を行えるかどうか不明である。

ECBがELAの継続を認めない場合、ギリシャ政府は引き出し制限や銀行閉鎖など資本コントロールを行う可能性もある。


付記

欧州中央銀行(ECB)は6月28日、緊急理事会を開催し、緊急流動性支援(ELA)での資金供給を増額しないことを決めた。その上で「今回の決定を再検討する用意が理事会にはある」とした。

ECBは6月17日に緊急支援枠を引き上げ841億ドルとしたあと、19日に859億ユーロとすることを決めたが、22日に878億ユーロに引き上げた。
23日にも引き上げ、現在 890億ユーロ前後とされる。

チプラス首相は6月28日夜、国民向けにテレビ演説し、29日から銀行を休業させ、資本規制を導入すると発表した。





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