イランが石油化学の大増設を行っている。
イランの石油化学のスタートはイランと日本の合弁のイラン・ジャパン石油化学で、現在のBandar
Imam Khomeyni で建設が開始された。
しかし、イラク・イラン戦争などで、実現が困難となり、1989年に清算を決めた。
1990年に入り、イラン国営石油化学(NPC)は韓国企業を使って設備の再建に着手した。
その後、隣接してPetrochemical Economic Zone をつくり、拡大を続けている。
2006/3/27 イラン・ジャパン石油化学(IJPC)の歴史
イランはその後、南部の Pars地区でもPars
Economic Zoneをつくり、順次拡大している。
現在は、Pars からBandar Imam 経由でイラク国境沿いに北西部まで結ぶ West Ethylene Pipeline を建設するとともに、Parsから内陸部にエタンをパイプラインで送り、エチレンを生産、周辺で誘導品を生産する計画 (Central Ethane/Ethylene Pipeline )を進めている。West Ethylene PipelineはBandar Imam 近郊のGachsaranから内陸部のDENA Regionに延長している。
これとは別に、アンモニアや肥料は以前から各地で生産している。
Parsでは10基のメタノール、5基のアンモニア(+尿素)を同時に建設中である。
現在稼動中、及び建設中のエチレン、プロピレンの能力は下記の通り。(千トン)
稼働中 建設中 エチレン プロピレン エチレン プロピレン Bandar Imam 2,031 471 0 600 Pars 3,821 305 3,200 327 北部 445 184 1,958 205 南部 1,500 0 合計 6,297 960 6,658 1,132
更にParsの南方のLavan Island に第三の石油化学センターを建設する構想もある。
2012/1/5 イラン、第三の石油化学センター建設を計画
海外では、BP、住友商事、Petronasが出資し、その後一旦清算されたフィリピンのBataan Polyethyleneに60%出資し、NPC Alliance Petrochemical としている。
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現在のイランの石油化学基地は次の通り。 (赤枠はオレフィン製造)
イランの石油化学の一覧表と、各プラントの詳細は下記参照。
一覧表 https://www.knak.jp/iran/iran-petchem.htm
詳細は、一覧表のプラント名をクリック
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