富士フイルムと協和発酵キリン、バイオシミラー医薬品の開発・販売で AstraZeneca と提携

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富士フイルムと協和発酵キリンは7月24日、両社の共同出資会社協和発酵キリン富士フィルムバイオロジクス(FKB)が開発中のバイオ後続品(バイオシミラー)で、英 AstraZeneca と提携すると発表した。

対象となるバイオシミラーは、FKB が2014年11月から欧州で第Ⅰ相臨床試験を開始している「FKB238」で、大腸癌や非小細胞肺癌などに高い治療効果を持つ抗VEGF ヒト化モノクローナル抗体製剤アバスチン(一般名 bevacizumab)のバイオシミラー。

VEGF血管内皮細胞増殖因子)の働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持つ。
Genentech (Rocheの100%子会社)が2004年に開発した。

米調査会社IMS Healthによると、アバスチンの世界売上高2014年に6,070百万ドル、製品別の売上高が11位だった。

日本ではRoche子会社の中外製薬が販売している。

JV(社名未定)は英国に設立する。AstraZenecaとFKBは4500万ドルずつを出資、FKBは「FKB238」に関する権利をJVに移行させ、対価として一時金4500万ドルを受け取る。(AstraZenecaは現金4500万ドルを、FKBは4500万ドルと評価した権利を出資するもの)

FKBの非臨床および臨床などの開発データをもとに、AstraZeneca が持つ癌領域での開発を販売に関するノウハウを活かし、世界的な開発と販売に向けた取り組みを加速する。アバスチンの特許切れ2018~19年の発売を目指す。

IMS Healthによると、AstraZenecaの2014年の売上高は33,313百万ドルで、世界第7位。
① Novartis、
② Pfizer、③ Sanofi、④ Roche、⑤ Merck & Co.、⑥ Johnson & Johnson、⑦ AstraZeneca、⑧ GlaxoSmithKline

 

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協和発酵キリン富士フィルムバイオロジクス(FKB)はバイオシミラー医薬品の開発・製造を目的に、2012年3月27日、富士フイルム 50%、協和発酵キリン 50%で設立された。

医薬品市場において、化学合成では達成できない薬理作用がある複雑な構造を持ったタンパク質などの生体分子を活用した、副作用が少なく高い効能が期待できるバイオ医薬品の比率が高まっており、バイオ医薬品と同等・同質の効果を持つバイオシミラー医薬品市場は、医療費の高騰問題や、2020年にかけて先行バイオ医薬品が特許満了を迎えることを背景に、世界的に拡大していくと予想されている。

富士フイルムは、医薬品事業を重点・成長分野として位置付け、事業展開を行っており、なかでもバイオ医薬品分野においては、「ペルセウスプロテオミクス」によるバイオ新薬の開発や英・米の子会社「 FUJIFILM Diosynth Biotechnologies」によるバイオ医薬品受託製造を通じて、取り組みを加速させている。

ペルセウスは、東京大学先端科学技術研究センターのシステム生物医学ラボラトリーからタンパク質発現等に関する研究成果の技術移転を受け、同ラボラトリーが誇る世界最先端の分子生物医学分野のサイエンティストと臨床医とともに、がんや生活習慣病に対する抗体医薬品を始めとするバイオ医薬品やバイオ マーカーを開発。

富士フィルムは2006年に第三者割当増資を引き受け、22%の筆頭株主になったが、2009年2月に第三者割り当てにより株式の77%を取得、子会社とした。

協和発酵キリンは、バイオテクノロジーを主要技術とした新薬の創出を行っている。

新会社では、富士フイルムが長年写真フィルムなどの事業で培った高度な生産技術や品質管理技術、解析技術と、協和発酵キリンがバイオ医薬品の研究・開発・製造で蓄積してきた独自技術・ノウハウを融合させて、バイオシミラー医薬品の画期的な生産プロセスの創出やコスト低減を行っていく。


協和発酵キリン富士フィルムバイオロジクス(FKB)は、設立後、第一弾として、関節リウマチなどに高い治療効果を持つヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤 Humira一般名 adalimumab のバイオシミラー医薬品(FKB327) の開発を始めた。現在、米国などで臨床第Ⅲ相試験を実施している。

Humila(adalimumab) は抗体成分である蛋白配列が完全ヒト由来であるため、先行のキメラ抗体製剤よりも理論的に生体適合性が高い(より過敏症を起こしにくい)とされる。

BASF傘下の製薬
会社であったKnoll AG(後に米
Abbott Laboratories が買収)が創製した。
米調査会社IMS Healthによると、2014年の売上高は11,844百万ドルで第一位となっている。
日本で
は、アボットジャパンが輸入し、エーザイが販売している。

2012年10月に、第二弾として、bevacizumabのバイオシミラー(FKB238)の開発を決めた。
協和発酵キリンがすでに確立している生産細胞(バイオ医薬生産用の細胞にbevacizumabの遺伝子を導入したもの)を導入する。


 

 

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