貿易統計(7月30日発表)によれば、2015年6月ののLNGの輸入価格は55,251円/トンとなった。
2010年1月の輸入価格は48,834円/トンであったが、2011年3月の東京電力福島第一原発事故とその後の日本の全原発の停止により、電力各社はLNGのスポット買いに走り、その結果、LNG価格
(ドル建て)は上昇した。2012年末からは急激な円安となり、輸入価格(円建)は急騰した。
税関長レートは貿易統計で示されている。
ドル建て価格で見ると、原発事故前には10ドル/百万BTU程度であったのが、事故後は16ドル前後で推移した(一時は18ドルを超えた)。
しかし、2014年夏以降の原油価格の下落により、長期契約では原油価格スライドが主の天然ガスの平均通関価格も本年初めから急激に下落し、2015年5月には 9ドルを割り、6月には 8.47 ドルまで下がった。 (原油の指標価格の下落と、それを基にしたLNG契約による輸入LNGの通関時期には数ヶ月のズレがある)
輸入LNG 1トン=53百万BTUで計算し、税関長レートでドルに換算した。
円建ての輸入価格も、最高価格は2014年12月の96,535円/トンで、 その後、円安は続くものの下落し、2015年6月の輸入価格は55,251円/トンとなった。
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経済産業省では2014年から、LNGのスポット取引の動態を明らかにし、LNG先物市場の検討など行政施策の基礎材料とするとともに、LNGの輸入や消費などをする事業者の事業に資することを目的とし、スポットLNG価格調査を行い、発表している。
2015年6月の契約ベース、入着ベースはともに7.6ドル/百万BTUとなっている。(5月については、報告者がゼロまたは1社のため非公表)
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数年後に米国産LNGの日本への輸出が始まる。
現在の通関価格は現時点の米国産LNGの想定輸入価格を下回る水準になっている。
2015年6月時点の計算は下記の通り。(百万BTU当たり)
天然ガス スポット価格 2.78ドル LNGのFOB価格 6.20ドル (2.78x1.15+3) 同 CIF価格 9.20ドル LNG通関価格 8.47ドル
天然ガス スポット価格は米国EIA(Energy Information Administration) の発表による。米国産のLNGの輸出が開始されると天然ガス価格は6ドル/MBTU程度まで上昇するとの説があるが、現在のところは3ドルを下回る水準である。
米国のLNGのFOB価格はCheniere Energy の契約価格フォーミュラによる。
原料ガスコスト(Henry Hub 渡し市況 x 115%)+固定費
固定費分は韓国向け、インド向けなどの 3ドル/MBTUとした。
運賃はGulf Coast からの3ドル/MBTUとした。(カナダ西海岸からの場合は1.24ドルとされる)2012/2/24 米国からのLNG輸入問題
6月の通関平均価格が8.47ドル、入着ベーススポット価格が7.6ドルであることから、スポットの方が安い。
現時点では価格面では原発停止の影響はないといえる。
2015/7/22 原発停止の燃料コスト
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