東レ、欧州の燃料電池および水電解装置の部材開発・製造・販売会社を買収

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東レは、燃料電池および水電解装置の部材開発・製造・販売会社で、Umicore とSolvay の50/50JVのドイツの SolviCore の株式を取得し、7月1日付けで100%子会社化し、Greenerity と改称した。

新社名「Greenerity」は、「Greener(より環境に優しく)」+「-ity(状態を表す抽象名詞語尾)」として、より環境に優しい社会の創造を目指していくことを意図したもの。

SolviCoreは2006年7月にUmicoreとSolvayが折半出資して設立、燃料電池や水電解装置の部材となる触媒層付き膜「Catalyst Coated Membrane(CCM) 」、膜・電極接合体「Membrane Electrode Assembly(MEA)」の開発・製造・販売を行っている。

燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気を発生させる発電装置で、水しか排出しない次世代のエネルギー源として期待されている。

触媒層付き膜「Catalyst Coated Membrane(CCM)」 は、触媒層と電解質膜からなる燃料電池用電極膜。 
膜・電極接合体「Membrane Electrode Assembly(MEA)」は、触媒層と電解質膜とガス拡散層からなる燃料電池用膜電極接合体 。

東レは、中期経営課題 "プロジェクト AP-G 2016"で進める全社プロジェクトの一つとして「グリーンイノベーション事業拡大プロジェクト」を掲げ、地球環境問題や資源・エネルギー問題の解決を通じて社会に貢献することで、東レグループの持続的成長を支えることを目指している。

今回の買収は、このプロジェクトの一環であり、今後もGreenerity社の事業推進を通じて、水素製造(水電解)、水素インフラ(圧縮・貯蔵)、水素利用(燃料電池)技術の発展に貢献し、持続可能な低炭素・循環型社会の実現を目指していく としている。

 

SolviCoreは2006年7月にUmicoreとSolvayが折半出資して設立した。

Solvay はポリマー膜の技術を、Umicore は貴金属をベースとする触媒の技術を持ち寄ることで、燃料電池という新技術分野で重要な役割を演ずることを目指した。
工場はUmicoreのR&DセンターのあるドイツのHanau にある。

Solvayのポリマー膜は、Solvayが2011年に友好的買収を行ったRhodia の技術。

Umicoreは1805年設立のベルギーの会社で、貴金属リサイクル、自動車用触媒、バッテリー材料などの研究・開発・生産、MEA の開発・製造のため、電気触媒とポリマー膜の組み立てを行う。

同社の燃料電池関係事業は元はDegussa-Huls (現在のEvonik)の事業で、1999年にSpecialty Chemical に集中することを決め、燃料電池事業を分割し、Degussa Metals Catalysts Cerdec を設立した。
2001年にOM Group が
Degussa Metals Catalysts Cerdec
を買収、2002年にUmicoreがOM Group を買収した。


Solvay とUmicore はいずれも、今後も燃料電池部門で活動を続ける。
Solvayは先進的新素材の分野で、Umicore は触媒分野で活動する。



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