東洋エンジニアリングは7月6日、PT. Synthetic Rubber Indonesia からインドネシア・ジャワ島西部チレゴンでの合成ゴムプラント建設プロジェクトを受注したと発表した。
PT. Synthetic Rubber Indonesia はMichelin とChandra Asri Petrochemical の子会社のStyrindo Mono Indonesia のJVで、Michelin の技術でSSBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)とPBR(ポリブタジエンラバー)年産12万トンを製造する。
Michelin とインドネシアのChandra Asri は2013年6月17日、インドネシアに合成ゴム製造JVを設立する契約に調印した。
Michelin が55%、Chandra Asriの100%子会社のPT Petrokimia Butadiene Indonesia (PBI)が45%出資するとしていた。
投資額は435百万ドルで、工場建設は2015年初めに開始、2017年初めのスタートアップを目指す。Michelin は、新興国での自動車産業の高成長とグローバルな高機能タイヤ(安全で長持ちし、燃料効率がよい)への傾向で、より技術的な合成ゴムの需要が増えているとしており、溶液重合SBRなどではないかと思われる。
今回、東洋エンジニアリングと、同社が2012年に47%出資し、筆頭株主となっているインドネシアの大手エンジニアリング PT. Inti Karya Persada Tehnik (IKPT)が、詳細設計、機器資材の調達および工事までを一括請負受注した。東洋エンジがインドネシア国外での調達業務を、IKPTが設計・調達・建設業務を担当する。
東洋エンジニアリングはChandra Asri向けに、2011年にブタジエンプラント、2013年にエチレンプラント能力増を受注している。
合成ゴム計画の概要は下記の通り。
JV:PT.
Synthetic Rubber Indonesia
Michelin 55%、PT Styrindo Mono Indonesia 45% (当初のPT
Petrokimia Butadiene Indonesiaから変更)
建設地:インドネシア ジャワ島西部の Cilegon
製品:合成ゴムプラント:年産12万トン
溶液重合スチレンブタジエンゴム(SSBR)とポリブタジエンラバー
完成予定:2018年初め
原料:スチレンモノマー: PT Styrindo Mono Indonesia
ブタジエン:PT Petrokimia Butadiene Indonesia
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Chandra Asri は当初、Barito groupが75%、日本インドネシア石油化学投資(丸紅 85%、昭和電工 10%、TEC 5%)が25%出資して設立され、1995年に生産を開始したが、2005年に日本側は撤退した。
2006/4/26 インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-1
その後、株主が次々に代わった。
PT Chandra Asriは、2007年に豊田通商からスチレンモノマー製造・販売の PT.Styrindo Mono Indonesia を買収し、2011年1月1日付でPPメーカーの PT Tri Polyta Indonesiaを統合し、新社名PT. Chandra Asri Petrochemical Tbk.として上場した。
タイのSiam Cement Group は2011年9月、Chandra Asriの株式30%を取得、経営に参画した。
シンガポールのTemasekから23%、Baritoから残り7%を買収した。
Barito Pacific 59.35% 当初の株主 Temasek Holdings ー シンガポールの政府系投資機関 Siam Cement Group 30.06% Marigold Resources 5.52% 一般株主 5.07% (上場)
Chandra Asri はジャワ島西部の Cilegon にナフサクラッカーを持ち、各社に製品を供給している。
Chandra Asri は増設計画(エチレン +400、LLDPE +200、BTX、ブタジエン、ブテン-1 新設)を持っていたが、ブタジエンを除き、棚上げにしている。
2011/6/8 Chandra Asri の増設計画
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