中国、人民元/米ドル取引の基準値の算出方法を変更、人民元2%切り下げ

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中国人民銀行(中央銀行)は8月11日、人民元売買の基準となる対ドルの為替レートの「基準値」の算出方法を変更すると発表した。

人民銀行は市場で取引される人民元の水準を基準値の上下2%以内に制限している。
これまでは基準値は銀行から毎朝報告される為替レートをもとに人民銀行が決めていたが、市場の実勢レートとの差が大きかった。

8月11日からは、基準値を市場の前日終値などを参考に決め、市場の実勢を反映しやすくする。


これに伴い人民銀行は8月11日の基準値を前日から約2%切り下げた。

付記

終値は63231人民元/$ となった。

  基準値 下限 上限 終値 変動幅 2010/6/18比
8/7 6.1174 6.2397 5.9951 6.2097 -1.51% 9.93%
8/11 6.1162 6.2385 5.9939 6.2097 -1.53% 9.93%
8/12 6.2298 6.3544 6.1052 6.3231 -1.50% 7.96%

 

 

 

突然の発表を受け、市場では人民元が一時約3年ぶりの安値水準に急落した。

人民元が円やユーロなどに対して割高になり、輸出が伸び悩み貿易面で影響が出るなど中国の景気が減速するなか、事実上の人民元切り下げにより、低迷する輸出競争力の回復を目指す。
    
2015/5/30 IMF、「人民元はもはや過小評価でない」

人民銀行は以下の通り述べた。

人民元の実効レートは他の通貨より高い
本日の人民元中心レートの大幅引き下げは1回限りの調整
人民元相場の柔軟性を高める
市場における人民元中心レートの役割を強化する




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