日揮がサウジアラビアの国営石油会社 Saudi Aramco から同国北部 Turaif のシェールガス精製設備の第一期分を受注したことが8月20日に明らかになった。
Aramcoは2018年までに、日量2億立方フィートのシェールガスを生産する。
ガスはTuraifのWa'ad Al
Shammal 計画(Ma'aden が開発している燐コンプレックス)の1000MWガス発電所の燃料として送られる。
2014年に日揮のほか、韓国のGSエンジニアリング建設、伊のMarie Tecnimont 及びカナダのSNC-Lavarin
の4社が応札した。
当初は2014年11月末に決定予定(2016年12月完成)であったが、数回延期された。
第一期計画(通称
System A)は、シェールガスの坑口、パイプライン、精製設備建設を含み、能力は日量
66百万立方フィート(当初の50百万立方フィートから拡大された)。
契約金額は明らかでないが、2億ドル程度でないかとされる。
第二期分の System B 計画はこれの4倍で、同じ4社が応札している。
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Ma'aden は1997年にサウジの鉱物資源の開発のために政府100%出資で設立され、その後2008年に50%分が売却され、上場した。
当初は金鉱山の開発を行ったが、その後、燐、アルミ、工業用金属(マグネサイト、カオリン、低品質ボーキサイトなど)に事業を拡大した。
このうち、燐関係については2つの子会社を持つ。
1)
Ma'aden Phosphate Company
出資:Ma'aden 70%、SABIC 30%
Al Jalamid 鉱山:粗鉱 年
1160万トン、コンセントレート 年500万トン(dry basis)
Ras Al Khair 工場:Al Jalamid
から鉄道輸送したコンセントレートを加工
生産:燐酸、硫酸、アンモニア、燐酸二安肥料(DAP:年産300万トン)、
コジェネ、海水脱塩
2) Wa'ad Al Shamal Project
(建設中)
設立:2012年承認
出資:Ma'aden 60%、米国肥料最大手
Mosaic 25%、SABIC 15%
Umm Wual 鉱山:Turaifの40km北東
Wa'ad Al Shamal(Turaif)工場
生産:コンセントレート、硫酸、燐酸、飼料用燐酸1カルシウム・燐酸2カルシウム
食品用精製燐酸、トリポリ燐酸ソーダ、
他に、東部の Ras Al Khairにアンモニア・燐酸ベースの肥料工場を計画
Wa'ad Al Shamal Projectは2018年から、採掘及び発電用に日量 2億立方フィートのガスを引き取る計画。
Wa'ad Al Shamal Project はTuraif に人口10万人の都市と燐鉱山・化学を中心とする産業コンプレックスをつくる計画で、Bechtel がMa'adenに協力している。
2014年2月に下記の建設契約が締結された。
相手先 建設計画 SNC Lavalin (カナダ)/ Sinopec 硫酸工場 中国寰球工程 鉱石選鉱設備 Hanwha Engineering & Construction 燐酸工場(年産150万トン) 韓国企業 アンモニア工場 スペイン企業 燐酸肥料工場
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サウジは世界で5番目の天然ガスの貯蔵量を持つが、主に発電用の需要量は2030年には2011年から倍増する。このため、シェールガスの調査を行ってきた。
Aramcoは、北西部のAl Jalamid地区、東部のSouth Ghawar地区、南部の Rub'a al-Khali (Empty Quarter) の3地区でシェールガスの探査を行ってきた。
政府は、2016年のシェールガス生産量を日量 20~50百万立方フィートとし、2018年には5億立方フィート、最終的には40億立方フィートと推定している。
石油相は、サウジは有望なシェールガスを発見しており、採掘のための技術も妥当な価格で取得済みであるとしている。
石油相は2015年5月に、Aramcoが、建設中のWa'ad Al Shammal 計画の発電所用にシェールガスの供給を行うことを明らかにした。
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