Sinopec、Lukoil からカザフスタンのJV持分を買収、100%子会社化

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Lukoilは8月20日、カザフスタンのJVの Caspian Investments Resources Ltd.の50%持分をSinopecに売却する契約に調印した。売却額は10億8700万ドルで、カザフスタン政府からの認可は7月末に受けている。

Sinopec は残りの50%を2010年にインドの富豪Lakhshmi Mittal から購入しており、これで100%オーナーとなる。

実は両社は2014年4月に12億ドルでの売却で合意していた。

しかし直後から石油価格が下落し、約半値となった。このため、Sinopecは最終の契約を締結せず、Lukoil側は契約違反として調停にかけていた。

今回、値下げで最終合意に達したと見られる。

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Caspian Investments Resourcesはカザフスタンで5つの油田を開発している。

北西部のAktyubinsk RegionのAlibekmola と Kozhasai
カスピ海東岸のMangistau RegionのKarakuduk、North Buzachi、Arman

このうち、Alibekmola と Kozhasai はカザフスタン国営のKazMunayGas が50%、Caspian Investment Resources が50%出資するJVのТОО Kazakhoil Aktobeが運営している。1999年8月に25年の 採掘契約を締結した。

Caspian Investments の売却後も、LukoilはカザフスタンにTengiz、Karachaganak、Kumkol の3つの原油・ガス田を持ち、Caspian Pipeline Consortium の権益も有しており、ロシアの最大のカザフスタン進出企業である。

TengizのパートナーはChevron 50%、ExxonMobil 25%、KazMunayGas 20%、Lukoil 5%である。

2014年のカザフスタンでの生産は、石油が430万トン、ガスが15億m3となっている。

Kashagan 油田については 2013/9/14   カザフスタンのカシャガン油田、生産開始 

Caspian Pipeline Consortiumはカザフスタン最大の生産油田であるTengiz (及び途中のKashagan)と ロシアの黒海沿岸の積み出し港ノボロシスクとを結ぶ総延長1,580km、輸送能力2,800万トン/年の原油パイプライン(CPCパイプライン)を保有・運営するコンソーシアム。

 出資は下記の通り。

Transneft - 31%
Kazakhstan - 19%
Chevron Caspian Pipeline Consortium Co. - 15%
LukArco B.V. (Lukoil) - 12.5%
Mobil Caspian Pipeline Co. - 7.5%
Rosneft - Shell Caspian Ventures Ltd. - 7.5%
Agip International (N.A.) N.V. - 2%
Oryx Caspian Pipeline LLC - 1.75%
BG Overseas Holdings Ltd. - 2%
Kazakhstan Pipeline Ventures LLC (KazMunayGas / BP)- 1.75%

2001年3月に完工し、 2001年11月に正式に稼動を開始した。




 

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