Valeant Pharmaceuticals、女性用バイアグラの Sprout Pharmaceuticalsを買収

| コメント(0) | トラックバック(0)


カナダの製薬大手 Valeant Pharmaceuticals International, Inc. は8月20日、「女性用バイアグラ」とも呼ばれる女性の性的欲求低下障害の治療薬 Addyi (一般名flibanserin) を手掛ける米製薬会社Sprout Pharmaceuticals, Inc. を買収することで合意したと発表した。

買収額は約10億ドル(借入金なしベース)で、契約締結時に5億ドル、2016年第1四半期に残り5億ドルを支払う。これに加え、今後の業績の一定割合を支払う。

Addyi (一般名flibanserin) は、閉経前女性の性欲低下障害(HSDD:Hypoactive Sexual Desire Disorder)に対する初の治療薬で、処方薬としての認可をFDAから8月18日に受けたばかり。10月中旬から先ず米国で販売する。今後、世界中での販売を目指す。

HSDDは、性欲の低下を特徴としており、いままで性欲が正常だった女性に発症し、性行動のタイプやパートナーに関係なく発症する。

FlibanserinはBoehringer Ingelheinが開発した。しかし、FDAから承認を得られず、2010年にSprout Pharmaceuticalsに権利を売却した。

FDAの諮問委員会は本年6月4日、女性の性欲向上に役立ち得るとして 賛成18、反対6で市販承認を促す判断を下し、FDAは8月18日に承認した。

買収完了後、Sprout はValeant の事業部となり、Sproutの現CEOはValeantに移り、この事業を担当する。

 

Sprout Pharmaceuticals は女性の HSDD 治療薬のみに注力している。

同社のCEOのCindy Whitehead は、FDA から最初に承認を受けた男性用の医療用テストステロン埋め込みペレット Testopel を販売するSlate Pharmaceuticals の共同創業者であったが、2011年にSlate Pharmaceuticalsからスピンアウトし("sprouted")、Sprout Pharmaceuticals を設立した。

その後、Slate Pharmaceuticals をActient Pharmaceuticals, LLCに売却した。

ーーー

Valeant Pharmaceuticals International は2014年、物言う株主William Ackmanが組んで米製薬会社Allergan の買収を目指したが。拒否された。

2014/10/22 米製薬会社 Allergan を巡る買収合戦

Valeant は本年2月22日、米同業Salix Pharmaceuticalsを借入金込みで145億ドルで買収することで合意したと発表した。
1株当たり158ドル、総額101億ドルの現金で全株を買い取る。

2015/2/28 Valeant Pharmaceuticals、米同業Salix Pharmaceuticalsを買収    

.



トラックバック(0)

トラックバックURL: https://blog.knak.jp/knak-mt/mt-tb.cgi/2973

コメントする

月別 アーカイブ