カヤバ工業、米国自動車部品カルテルで罰金、東洋ゴムは需要家と和解

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米司法省は9月16日、カヤバ工業(dba KYB)が、米国での富士重工、ホンダ、川崎重工、日産、スズキ、トヨタ向け自動車・二輪車用のショックアブゾーバのカルテルを認め、62百万ドルの罰金支払に同意したと発表した。
(dba=doing business as
: 通称社名)

他の2社と共謀し、供給量を割り当て、価格を維持していた。

これを含め、米国での自動車部品カルテルで37社(うち日本企業32社)、55名(うち日本人54名)が起訴されたこととなる。
企業の罰金額は26億ドル強となり、55名のうち、30名(うち日本人29名)が禁固刑・罰金刑を受けている。

これまでの一覧表 別紙

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東洋ゴムは9月17日の取締役会で、需要家への和解金4,209百万円の支払合意に伴う特別損失計上の決議を行った。

米司法省は2013年11月26日、東洋ゴムが自動車用防振ゴムとドライブシャフト部品及び等速ジョイントブーツの価格カルテルで有罪を認め、罰金120百万ドルの支払いに同意したと発表した。本件では幹部の1名が1年と1日の禁固と2万ドルの罰金となり、他の2名が起訴されている。

これに関して 同社は、自動車用防振ゴムを購入したメーカーから、価格調整により損害を被ったとして損害賠償を求められ、交渉を行ってきたが、交渉の長期化が経営に与える影響や費用等を総合的に勘案し、和解金として4,209百万円を支払うことで合意した。

秘密保持契約により相手先は開示していないが、司法省発表では同社の供給先は、トヨタ、日産、富士重工となっている。
和解金が円建となっていることからも、このうちの1社(恐らくトヨタ)と思われる。
(起訴された3名の事案では、問題の供給相手は全てトヨタとなっている。)

同社は2015年1~6月期に、免震ゴムの性能偽装問題に関連して304億円の特損を計上している。

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