BPは今回の習近平主席の英国訪問中の10月21日、中国企業との2つの契約を締結した。
英国のキャメロン首相は習主席の訪英に伴い300億ポンド(約5兆5500億円)超の契約や投資がもたらされると述べていた。
1)CNPCとの戦略的協力の基本契約
BPとChina National Petroleum Corporation (中国石油天然気集団:CNPC) は四川省でのシェールガス採掘・販売や中国での将来の燃料小売事業を含む戦略的協力の基本契約に調印した。
両社は中国での事業以外に、グローバルな石油採掘・LNG取引での協力や、共同での温室効果ガス排出取引、技術・経営に関する知識の共有などにも取り組む。
BPのBob Dudley CEO は、「イラクのRumailaの成功で、CNPCとBPの提携でもっといろいろ出来ると確信した。グローバルなビジネスパートナーとなりうる」と述べた。
イラクは2009年6月30日、第一次開放対象の国際入札を実施した。権益は与えず、生産量に応じ報酬を得るもの。
Rumaila油田については、BP /CNPC 連合がExxonMobil /Petronas連合を破り、落札した。BP/CNPCは投資コストを回収した上で原油1バレル3.99ドルの利潤を得ることを提案していたが、イラク石油省はこの利潤を 2ドルに引き下げるよう求めた。さらに、イラクは一日の採掘量を110万バレルから280万バレルに引き上げることも求め、BP側は承諾した。
BP連合は2009年11月3日、イラク政府のState Oil Marketing Organisation と技術サービス契約に調印した。
コンソーシアムはBP 38%、CNPC 37%、イラク政府のState Oil Marketing Organisation が25%となった。BP とCNPC は150億ドルを投資する計画。
Rumailaは世界第二の大型油田で、可採埋蔵量は200億バレルとされ、現在日量130万バレルの石油を生産している。
2009/4/7 イラクの油田開放、クルド人自治政府と契約の韓国企業を除外
2)中國華電集団とのLNG売買契約
BPと 国営電力会社 China Huadian Corporation (中國華電集団) は、BPが華電集団に今後20年間、100万トン/年のLNGを販売する契約を締結した。
向こう20年間の取引額は100億ドルに達する。
華電集団は中国の五大国営電力会社の1社で、中国最大のガス火力発電業者である。
BP Chinaでは、「2035年までに中国のエネルギー生産は47%伸び、消費は60%伸び、世界最大のエネルギーの輸入国となると見ている。今回の契約はBPが中国のエネルギー供給の多様化、大気環境の改善に協力するというBPの長期コミットメントを示すものだ」としている。
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BPは2014年6月、 China National Offshore Oil Corporation (中国海洋石油総公司:CNOOC) との間で、2019年以降20年間にわたり150万トン/年のLNGを供給する契約を締結している。
CNOOCは中国のLNG産業のパイオニアで、世界3位のLNG輸入業者で、2013年に1300万トンのLNGを輸入した。6つの輸入ターミナルを持ち、更に建設中。
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