日立製作所、米国連邦海外腐敗行為防止法違反で 米 SECに1,900万ドルの民事制裁金支払い

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米証券取引委員会(SEC)は9月28日、日立製作所が
連邦海外腐敗行為防止法に違反し、発電設備の受注にからんで南アフリカの与党アフリカ民族会議(ANC)側に不適切な支出を行ったとし、日立製作所が民事制裁金1,900万ドルを支払うと発表した。

日立はSECの主張を肯定も否定もせず和解に応じた。

日立は南アフリカの国営電力会社 Eskom Holdings SOC Ltd. から発電所建設の2つの契約を獲得した。

日立は2007年11月、Eskom社が建設する石炭火力発電プラント用ボイラー設備6基を受注した。契約金額は、総額約3,200億円。
リンポポ州レパラーレ市西方に新規建設されるMedupi発電所の1号機から6号機用。

引き続き、2008年3月に、ムプマランガ州ウィトバンク市南方に新規に建設されるBravo発電所の1号機から6号機用のボイラー設備を約2,500億円で受注した。

受注に際し、日立は2005年に南アに子会社を設立し、与党のアフリカ民族会議(African National Congress:ANC)のダミー企業であるChancellor House Holdings (Pty) Ltd. にその子会社株の25%を約19万ドルで売却した。
発電所建設の契約の獲得後、配当として約500万ドルを支払った。別途、追加で100万ドルを成功報酬として支払ったが、正式の契約書なしで帳簿にはコンサルタントフィーと記載している。

報道によると、日立は2014年2月に現地法人の株を約440万ドルで買い戻したという。
これが事実なら、Chancellor は売却差益を含めて 1,021万ドルを受け取ったこととなる。

SECは日立が米国で企業活動をしているため、この事件についても管轄権があるとしている。

SECが米国地裁に提出した資料によると、

・日立は入札時点で、Chancellor がANCのダミー企業であることを認識していた。
・それにもかかわらず、Chancellorとの関係を続け、発電所建設契約を獲得できるよう、政治的影響を行使するよう依頼した。
・影響力行使の代償としてChancellorに成功報酬を支払った。

SECでは、上記の行為は連邦証券法の帳簿・記録・内部会計監査条項、特にSecurities Exchange Act of 1934の Sections 13(b)(2)(A) and 13(b)(2)(B) に違反するとしている。

「日立の内部統制の甘さは、同社子会社が南ア政府から契約を勝ち取るため政界とつながりがあるANCのフロント企業に数百万ドルを支払うことを可能にした」と指摘。「日立はその後、これら支払いを帳簿上で違法に偽る形で、コンサルティング費用やその他の合法的な支払いとして計上していた」と述べた。



日本の当局は動くのだろうか?


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