Ineos、英国の北海ガス田の権益を買収

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LetterOne Groupの子会社のDEA Deutsche Erdoel AGから英国の北海ガス田全ての権益を買収することで合意したと発表した。


英国の北海ガス権益は、英国のガス生産企業 Highland Energy の所有であった。

ドイツの大手エネルギー会社RWE AGの石油・ガス事業子会社 RWE Dea AGは2002年に、英領北海のガス貯層にアクセスするため、Highland Energy を獲得した。社名をRWE Dea UK Ltd.とし、英領北海での活動を本格化させた。

RWE Dea AGは英国のほか、ドイツ、ノルウェーなどで幅広く石油とガスの採掘を行っている。


RWE AGは2014年3月、RWE Dea AGを51億ユーロで
LetterOne Groupに売却する契約を締結した。
RWE Dea AGは
DEA Deutsche Erdoel AGに改称した。

LetterOne Groupはロシアの新興財閥で、TNK-BPの株主であったAlfa-Access-Renova の一員のAlfa Groupが、グローバルに石油・ガス事業を展開するために2013年に設立した企業で、当面100億ドル以上を投資するとしており、多数のエネルギー企業の経営者を顧問として雇っている。

脱原発政策が進むドイツでは電力大手が危機的状況に陥っている。再生可能エネルギーの普及で電力市価が下落し、火力発電所の収益が悪化しているためで、RWEは2013年決算で1949年以来の赤字に転落し、307億ユーロの負債に苦しんでおり、2013年に石油・ガス事業の売却を決定した。

2014/3/24 ドイツ大手エネルギー会社RWE、石油・ガス事業をロシアの富豪に売却

今回、Ineos が英国の北海ガス田権益をDEA Deutsche Erdoel AGから買収するもので、Highland Energy →RWE Dea AG→LetterOne Group→Ineos と移ることとなる。

LetterOne Groupによる売却は、単に売却益を得るためと思われる。
この売却の直後の10月14日に、
E.ON のノルウェーの石油・ガス権益を16億米ドルで買収する契約を締結し、事業を拡大している。

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今回の買収の対象は英国の大陸棚の30以上のガス田のライセンスから成り、英国のガスの8%を生産する。

Breagh ガス田は北海南部で最大のガス田の一つで、2013年10月に生産を開始した。DEA は権益の70%を所有し、運営を引き受けている。

Clipper South ガス田(2012年8月生産開始)はDEAが50%の権益を持ち、運営を引き受けている。
北海北部のDevenick ガス田(2012年10月生産開始)はDEAが11.3%の権益を持ち、BPが運営している。

このほか、Cavendish ガス田、Windermere ガス田、Topaz ガス田などがある。

付記
Ineosは10月28日、Fairfield EnergyからClipper South ガス田の25%を取得したと発表した。Clipper south の75%を所有することとなる。
残り25%は Bayerngas Europe が所有。

IneosのRatcliffe会長は、Ineosは以前から北海への投資を考えており、今回はその一歩であるとともに、スコットランドのGrangemouthの石油化学事業に競争力あるエネルギーを供給することが出来ると述べた。

Ineosは英国でシェールガスの開発にも熱心に取り組んでいる。


2014/10/18 Ineos、英国で更にシェールガスの権益を取得 

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