中国商務部は10月8日付けの公告36号で、日本・米国・韓国・台湾原産の輸入PVCについて、9月28日から3年間、反ダンピング課税を延長すると発表した。
これまで課税されていたロシアにつては課税を終了した。
商務部は2002年3月にロシアを含む5カ国からの輸入PVCについてダンピング調査を開始し、2003年5月にクロの仮決定(保証金徴収開始)、2003年9月29日にクロの最終決定を行った。
5年の課税期間終了で2008年9月29日に再調査を開始し、2009年9月29日にクロの最終決定を行った。
更にこれの5年の課税期間終了で2014年9月29日に再々調査を開始し、今回の決定に至った。今回は通常5年間の課税に対し、3年に限った。
終了予定の2018年9月では、15年間の長期にわたる課税となる。
中国の反ダンピング課税は、1997年12月に調査を開始し、1999年6月にクロの最終決定が出た韓国・米国・カナダの新聞用紙の件を最初に、現在まで88件を数えるが、5年の課税を再々延長するのは初めて。
ダンピング税率はこれまでと同じで、下記の通り。
日本 信越化学 17% 大洋塩ビ 7% 新第一塩ビ 34% カネカ 30% 他 84% 米国 シンテック 83% Formosa Plastics 11% 他 83% 韓国 LG 6% Hanwha Chemical 12% 他 76% 台湾 CGPC 12% Formosa Plastics 10% Ocean Plastics 22% 他 25%
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中国の反ダンピング調査については、下記参照。
https://www.knak.jp/japan/china.htm#ichiran
なお、このうちの日本とEUのステンレス鋼管について、10月14日、WTOは、これがWTOルールに違反しているとして日本(とEU)の主張を認め、中国に対し関税撤廃を勧告する最終判断を示した。
紛争処理の小委員会は、2015年2月、日本の主張を認める判断を示したが、中国側がこれを不服として上訴していた。
WTOの最終審に当たる上級委員会は、中国国内には同じような高性能の製品を作る競合する企業はないので、中国の産業に損害を与えているとは言えないなどとして、日本の主張を認め、中国に対し、追加の関税を撤廃するよう是正を勧告する判断をした。
対象製品 対象国 調査開始日 仮決定日 最終決定日 ステンレス鋼管 EU・日本 2011.9.8 2012.5.8 クロ 2012.11.8 クロ
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