欧州委員会は10月21日、光ディスクドライブの価格カルテルを結んだとして、東芝とサムスンの合弁会社などのメーカー8社に対し合計116百万ユーロの制裁金を科した。

2004年6月から2008年11月まで、各社はカルテルに参加し、情報を交換した。Dell とHewlett Packardによるテンダーが対象となった。

Philipsと台湾のLite-On 及び両社のJVのPhilips & Lite-On は最初にカルテルを欧州委に伝え、罰金全額を免除された。

Hitachi-LG Data Storageは調査に協力し、50%の減額となった。

罰金額の決定に当たり、Philips、Sony、Sony Optiarc はDellのテンダーにだけ参加したことを斟酌した。

調整前罰金
(千ユーロ)
減額 最終罰金
(千ユーロ)
Philips 10,461 100% 0
Lite-On (台湾) 31,366 100% 0
Philips & Lite-On Digital Solutions 22,037 100% 0
Hitachi-LG Data Storage 74,243 50% 37,121
Toshiba Samsung Storage Technology 73,833 41,304
Sony 18,062 21,024
Sony Optiarc 10,085 9,782
Quanta Storage(台湾) 7,146 7,146



このうち、Toshiba Samsung、SonyとSony Optiarcについては、調整前と最終の罰金が異なり、Sonyの場合は増額となっているが、これについての説明はない。

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Philips & Lite-On Digital Solutions

台湾のLite-On ITは2007年4月、Philipsと光学ドライブ事業に関する合弁会社を設立すると発表した。

Philipsは、2003年にBenQと光学ドライブ事業の合弁会社であるPhilips BenQ Digital Storage(Philips 51%:BenQ 49%) を設立したが、Lite-Onは、BenQが所有する株式をすべて買い取る形でPhilipsとの合弁を設立した。

Hitachi-LG Data Storage

2000年11月、日立51%、LG Electronics 49%出資で設立
創立以来14年間光ストレージ分野でGlobal No.1を維持。

Toshiba Samsung Storage Technology

2004年4月に東芝51%、Samsung 49%で設立した。

両社は2014年3月、光ディスク装置を搭載しないパソコンが普及し、長期的な成長が見込めないと判断し、JVの子会社で製品開発と販売を手掛ける東芝サムスン ストレージ・テクノロジーを製造委託している韓国のOPTISに売却することを決定した。
当初一部を売却し、3年後に残りを売却、その時点で東芝は事業から撤退する。

Sony Optiarc

ソニーは台湾のLite-Onと共同で光学ドライブを開発していたが、取り止め、2006年にソニー55%、日本電気45%出資で「ソニーNECオプティアーク」設立。
2008年12月にソニーの完全子会社となり、改称。

ソニーが光ディスクドライブ事業から撤退するのに伴い、2013年3月廃業