化学会社の9月中間決算の発表がほぼ出揃った。
原油価格の下落で、石油化学製品などのコストが大幅に下がり、ほとんどの会社で前期比で大幅な増益となった。
各社の実績(売上高、営業損益、経常損益、当期損益、配当の推移、セグメント別売上高、営業損益推移)は下記を参照。
営業損益では、三菱ケミカル、住友化学、三井化学、東ソー、帝人などが、前期比で大幅増となっている。
いずれも石油化学が大幅増益となっている。
帝人の場合は、「電子材料・化成セグメント」が前期の赤字から大幅黒字に転換しているが、中心はポリカーボネート樹脂(構造改善益を含む)である。
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営業損益と経常損益では、①三菱ケミカル、②信越化学、⑤住友化学の順になっているが、当期損益では①信越化学、②住友化学、③三菱ケミカルとなっている。
これは、連結対象会社の内容の違いによるところが大きい。
(百万円) | 営業利益 | 持分法損益 | 経常損益 | 税引前 | 税金 | 税引後 | 少数株主利益 | 当期損益 |
三菱ケミカル | 136,351 | 5,966 | 135,192 | 134,460 | -46,051 | 88,409 | -29,315 | 59,094 |
信越化学 | 109,816 | - | 113,020 | 113,020 | -35,304 | 77,716 | -1,082 | 76,633 |
住友化学 | 74,244 | 28,558 | 100,395 | 105,028 | -27,095 | 77,933 | -17,037 | 60,896 |
信越化学と、三菱・住友との違いは少数株主利益である。
信越化学の収益源のShintech や信越半導体グループは信越化学100%のため、連結損益が全て同社の当期損益となる。
これに対し、三菱ケミカルの場合、田辺三菱製薬(当期損益 29,148百万円)への出資比率は56.34%、大陽日酸(同13,303百万円)は50.56% などのため、連結子会社の他の株主の持分が大きい。
住友化学も同様で、大日本住友製薬(当期損益 13,214百万円)への出資比率は50.22%である。
なお、住友化学の場合、PetroRabigh など、持分法損益が大きく、営業利益の少なさを補っている。
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