日銀、日銀版コアコアCPI指数など公表へ 

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日銀は11月20日、「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」というレポートを発表したが、結論として以下の通り述べている。

わが国で利用されているコア指標のパフォーマンスについて、分析期間を通じた安定性に注目して検討した。

その結果を総括すると、「除く生鮮食品」、「刈込平均値」(
価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出)のパフォーマンスが総じて高いことが確認されたが、同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、「除く生鮮食品」のパフォーマンスが低下していることも確認された。

除く生鮮食品」の前年比は直近でマイナス0.1%まで下がっているが、変動の大きい原油価格の物価に対するかく乱的な影響度が高まっており、物価の基調を十分捉えられなくなっている可能性があるというもの)

物価の基調を的確に判断し、対外的な説明を行っていくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き「除く生鮮食品」を中心的な指標としつつも、「刈込平均値」、「除く生鮮・エネルギー」など幅広い指標を活用していく必要がある。

日銀は金融経済月報の7月号に消費者物価指数の新指標「除く生鮮・エネルギー」のグラフを掲載した。天候に左右され、変動が大きい生鮮食料と、昨年以来の原油安の影響が大きいエネルギーを除いたもの。以降、毎月グラフを掲載している。

2015/7/20 日銀の新しい消費者物価指数

今後、これを「日銀コアコア」(新聞報道での通称)として、総務省のCPI公表時に同時に発表する。

このほか、「上昇品目数と下落品目数の比率」、価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出する「刈込平均値」を公表する。

各CPIの内容と、最近の実績は下記の通り。

総合

コア

コアコア

その他全て
(酒類を含む)

日銀コアコア指標
総合(除く生鮮食品・エネルギー)

その他食品(酒類を除く)

食品(酒類を除く)
ガソリン                    エネルギー エネルギー
電気・都市ガス・プロパンガス・灯油 
生鮮食品(天候に左右され、変動が大きい) 生鮮食品 生鮮食品

月次(前年同月比 % )
2015/7 2015/8 2015/9
総合 0.2 0.2 0.0
生鮮食品を除く総合 (コア) 0.0 -0.1 -0.1
生鮮食品及びエネルギーを除く綜合(日銀コアコア) 1.0 1.1 1.2
食料及びエネルギーを除く総合(コアコア) 0.6 0.8 0.9

9月の前年比をみると、「除く生鮮食品」は前月と同じ-0.1%となった。一方、「除く生鮮食品・エネルギー」の前年比をみると、1~2月をボトムに再び伸びが高まってきており、9月は+1.2%と、昨年2月の直近ピーク(+0.9%)を明確に上回っている。

金融経済月報 2015年11月

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「除く生鮮食品」(コア)では値下がりの大きいエネルギーが含まれる。「除く食料・エネルギー」(コアコア)では輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品が入らない。
このため、値下がりの大きいエネルギーを除き、輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品(生鮮食品を除く)を含めようというもの。

しかし、円安による輸入価格の転嫁による食品の値上がりについては、その後の為替レートは安定しているため、一旦転嫁すると価格はそれ以上は上がらない。このため来年以降は 前年比での変動は少ない。

日銀の期待する更なる消費者物価上昇はなく、日銀コアコアも下降に転じる可能性がある。


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