三井物産、ブラジルのバイオマス事業から撤退 

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三井物産は10月28日、Dow Chemical と共同でブラジルで手掛けてきたバイオマス資源事業からの撤退を決めたと発表した。

50/50JV のSanta Vitória Açúcar e Álcool Ltda (SVAA)の同社持分(50%)を約2億ドルでDow に売却する。


三井物産は2011年7月、Dow全額出資のSVAAの株式50%を増資引受にて取得すると発表した。
ブラジルでサトウキビ農園運営からバイオポリエチレン等、バイオ化学品製造までの一貫事業を合弁で行う。

ミナスジェイラス州に2013年以降、年産能力24万kl のバイオエタノール工場を複数建設する。
2015年にはこのエタノールを原料に年産35万トンの植物樹脂工場を建設する。植物樹脂工場としては世界最大規模。

名称 Santa Vitória Açúcar e Álcool Ltda
(Santa Vitória Sugar and Ethanol Inc.)
所在地 ブラジルMinas Gerais州Santa Vitória市
事業内容 サトウキビ農園運営、化学品原料としてのバイオエタノール製造事業。
バイオエチレン、バイオポリエチレン及びバイオマス資源からの化学品製造販売事業へ順次拡大予定。
出資比率
(出資後)
Dow:50%
三井物産:50%
三井投資額 約2億米ドル

プロジェクト概要

2011/7/21 三井物産、ダウのブラジル・バイオ化学品事業に参画

上記のとおり、バイオエチレン、バイオポリエチレン及びバイオマス資源からの化学品製造販売事業へ順次拡大する予定であったが、市場価格の低迷などから事業化の見通しが立たず、撤退を決めた。

三井物産は原油やガス等の化石資源に加え、バイオマス資源からの化学品事業(グリーンケミカル事業)を展開しており、SVAAからは撤退するが、引き続き再生可能なバイオマス資源を確保することで化学品原料の安定確保に貢献すると共に、同資源から環境負荷の低いさまざまなバイオ化学品を製造することを目指すとしている。

また、ブラジルを重点地域のひとつとして位置付けており、ダウ社を戦略的パートナーと位置付けている。

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