出光興産と昭和シェル、経営統合に関する基本合意書締結

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出光興産と昭和シェルは11月12日、対等の精神に基づく両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。

出光興産は7月30日、昭和シェル石油の株式 33.24% をShellから取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。
出光と昭和シェルはこの株式譲渡を前提に経営統合に向けた協議を進めてきたが、これを加速する。

2015/8/3 出光興産と昭和シェル石油、経営統合で基本合意 

その後、交渉を続け、今回、両社の経営統合に関する基本合意書を締結したもので、対等の精神をうたっている。

統合会社の国内石油下流事業及び石油化学事業の基本戦略として、以下を挙げている。

他社を効率性で凌駕する業界 No.1 の収益力を持つリーディングカンパニーを構築し、国内石油精製販売事業を安定的なキャッシュフローを生み出すビジネスにする。
内需の構造的な減少が避けられない中、両社が持つ資産の統廃合を積極的に進めるとともに、既存資産の有効活用につながる他社とのアライアンスを積極的に進める。
国内石油精製販売事業において事業の競争優位性がある領域においては規律の効いた投資を行う。
系列特約店・販売店との相互信頼関係をベースとした取引の価値を重視しつつ、特約店・販売店を中心としたサプライチェーンを更に強化する。
内需が減少し続ける中で競争力のある製油所のポテンシャルを活かす。プロフィットマックスの観点からフレキシブルな需給調整が可能な体制を構築する。
競争優位性がある石油化学事業の拡大を目指す。


統合の概要は以下の通り。

(1) 経営統合の方式 : 合併によることを基本方針とする。

(2) 経営統合の日程 : 2016年10月から2017年4月を目途に本統合会社を発足させることを目指す。

(3) 統合会社の商号 : 未定

(4) 取締役会の構成 : 代表取締役及び業務執行取締役は、当面は両社から同数ずつ候補者を指名。

(5) 統合会社のブランド : 一定期間は、両社の既存のブランドを併用

(6) シナジー統合 : 統合5年目に総額500億円程度(年間)
               需給・生産計画の最適化、物流最適化、販売・間接部門の効率化等による

両社では、製油所の統合は考えていない。海上オイルフローの最適化を図る。

「両社が持つ製油所の配置は、東から西まであり、バランスが良い。どこかの製油所を閉めるとそのバランスが崩れる。現在の体制を維持するため、輸出も含めて考えていきたい」

給油所については、「両社を合わせた数は7000カ所だが、8割が(直営でない)特約店や販売店だ。減らす、減らさないより、顧客に利便性を感じてもらうことや、付加価値のあるサービスの方に注力したい」としている。


トッパー処理能力(千bbl/d)

トッパー処理能力

 当初 高度化法 現状
昭和四日市石油 四日市 205 255 255
西部石油 山口 120 120 120
東亜石油 京浜

70

70 70
昭和シェル 扇町 120 0
昭和シェル合計 515 445 445
出光興産 北海道 140 160 160
千葉 220 220 200
愛知 160 175 175
徳山 120 0
出光興産 合計 640 555 535



ーーー

なお、11月16日付けの日本経済新聞は、JXホールディングスが東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入ったと報じた。

実現すれば日本の石油精製会社は実質3社体制となる。

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