2010年4月20日のメキシコ湾原油流出事故に関する裁判で、裁判所は11月30日、Anadarko Petroleum Corp. に対し、1億5950万ドルの罰金の支払を命じた。
New Orleansの連邦地裁のCarl Barbier 判事は、Anadarkoは原油流出には責任はないが、鉱区の25%の所有で「汚染企業」の一部になると述べた。
この事件の関係者は以下の通り。
1)鉱区Mississippi Canyon 252の権益保有者
BP Exploration and Production Inc. 65.0% (Operator) Anadarko 25.0% MOEX (三井石油開発) 10.0% 2)Deepwater Horizon rig 関連
・設計:R&B Falcon
・建設:韓国の現代重工業
・所有:Transocean(R&B Falconを買収)
・リース:BP Exploration and Production・コントラクター
Transocean:掘削作業
Halliburton:セメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)
M-I SWACO(SchlumbergerとSmith InternationalのJV):Drilling Fluid (mud)サービス・Blow Out Preventor(BOP)の製造:Cameron International Corporation
Clean Water Act では、罰金の最高額は流出バレル当たり1,100ドル、35.1億ドルになるが、これを流出バレル当たり50ドルとした。
罰金159.5百万ドルは、Anadarkoに過失がないことと、流出被害の深刻さのバランスを取ったものとしている。
AnadarkoはBPと共に最高裁に無罪を訴えたが、2015年6月に拒絶されている。
同社に対しては、判事は「Ownerとしての責任のみ」としており、政府は2014年12月に10億ドルを求めていた。
Anadarkoは今回の判決に対し、政府の主張(10億ドル)よりはるかに少ないことは喜ばしいとしつつ、操業に関係していないものに、管理不能の事態について責任を取らすのはClean Water Act の趣旨に反すると信じるとし、控訴のオプションも考えると述べた。
今回の判決で、事故の処理の大部分が解決したこととなる。
事故に関しては、政府に対して下記の支払が既に決定している。
相手先 内容 金額 BP 刑事訴訟(11名死亡に関する11の違法行為とClean Water Act、渡り鳥条約、議会妨害に関する違法行為の合計14の罪状)
40億ドル
2012/11/17 BP、Deepwater Horizon事故に関する米政府の全ての刑事訴訟で和解 三井石油開発 Clean Water Act に基づく罰金 70百万ドル 環境保全のための土地買収 20百万ドル 2012/2/20 メキシコ湾原油流出事故で三井石油開発が米政府と和解
別途、三井石油開発は事故損失負担でBPに10億6500万ドルを支払っている。
2011/5/20 BPと三井石油開発、メキシコ湾原油流出事故損失負担で和解Transocean 刑事訴訟(問題あるのに調査せず) 4億ドル Clean Water Act 10億ドル 2013/1/8 Transocean 、Deepwater Horizon 事故で罰金14億ドル支払い
2015/10/12 BP、メキシコ湾原油流出事故の民事訴訟で米政府等と和解
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