ブリヂストンは12月24日、Pep Boys との間で、買収契約の内容改定を完了した。
株式公開買付け価格を1株当たり現金17.00ドル、株式買収総額で約9億47百万ドルに上げた。
(10/26の当初の契約より1億12百万ドル増、12/12の改定契約より84百万ドル増)
しかし、Carl Icahn は12月28日、1株当たりの買収提案金額を従来より2ドル引き上げて18.5ドルにすると発表した。
ブリヂストンの直近の提案額の1株17ドルを上回った。
また自らの前回の提案の「上限18.1ドル」を上回っており、今後も上積みしていく用意があると表明した。
Icahn の再提案を受け、Pep Boysは同日、Icahnの提案が優位となったとの意見を表明した。
ブリヂストンに対し、 12月31日午後5時を期限に新たな提案を示すよう要請、その内容次第では「買収合意を破棄し、推奨する売却相手を変える意思がある」とした。
これに対し、ブリヂストンの米国子会社が12月29日、「1株18.5ドルでの株式買い取りという Icahn 側の最新の提案に対して、対抗案を提出しない」と発表した。
経緯
10月26日 ブリヂストン、買収契約を締結 1株当たり現金15.00ドル 総額 約8億35百万ドル 12月7日 Icahn 提案 1株15.50ドル 総額 約8億63百万ドル 12月12日 ブリヂストン、買収契約を締結 同上 同上 12月18日 Icahn 提案 1株16.50ドル 12月23日 Icahn 提案 ブリヂストン案に+0.1ドル
(上限 18.1ドル)12月24日 ブリヂストン、買収契約を締結 1株17ドル 総額 約9億47百万ドル 12月28日 Icahn 提案 1株18.5ドル 更に上積みの用意 総額 10億超 12月29日 ブリヂストン発表 「対抗案を提出しない」
ブリヂストンは12月24日の契約時に、Pep Boysが最終的に第三者の提案を優れていると判断した場合など一定の状況下で契約が終了した場合にPep Boysからブリヂストンへ支払われる違約金を35百万ドルから39.5百万ドルへと修正している。
Pep Boysが最終的にIcahnと契約する場合、この違約金を受け取ることとなる。
付記
Pep Boysは12月30日、先に締結していたブリヂストンとの合意を破棄し、Icahn Enterprisesに1株18.50ドルで身売りする最終合意に署名した。
Icahnは、Pep Boysの代りに違約金3950万ドルをブリヂストンに支払う。
Icahn は2015年2月9日にカナダの自動車製品のディストリビューターのUni-Select Inc.から買収したAuto Plus とPep Boysを統合する。
アナリストらの間では、Icahnの関心はPep Boysの小売り部門に限られ、タイヤとサービス部門については他の企業に売却する計画ではないかとの観測が広がっている。
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