三菱ケミカルホールディングスは12月10日、100%子会社の三菱化学、三菱樹脂 及び三菱レイヨンの3社が、2017年4月1日をもって統合することを決定したと発表した。
合わせて、これを折り込んだ新中期経営計画 『APTSIS 20』を発表した。
経営環境の変化に迅速に対応し、事業の成長を図るためには、3社の持つ経営資源を最大限活用できる体制の構築が必要との認識のもと、3社を1社に統合する前提で詳細な検討を行ってきた。
2017年4月1日をもって、存続会社を三菱レイヨンとする吸収合併の方法により、3社を統合する。
新社は、統合後引き続き、純粋持株会社である三菱ケミカルホールディングスの100%子会社として事業を行う。
新社の商号、代表者、資本金等詳細は、今後順次検討・決定する。
新社は、協奏・インテグレーションの効果を最大限発現させて成長促進と収益拡大を実現するために、機能商品分野で7つ、素材分野で3つの合計10の事業ユニットに再編成する。
各分野の主要製品は下記の通り。
分野 | 主要製品 | 売上計画(億円) | |
2015 | 2020 | ||
高機能ポリマー | 機能性樹脂、フェノール/ポリカーボネート、PET/PBT、サステイナブルリソース | 2,100 | 2,700 |
高機能化学 | スペシャリティケミカルズ、エポキシ樹脂、食品機能材 | 1,800 | 2,300 |
情電・ディスプレイ | 光学系フィルム(ポリエステルフィルム等)、カラーレジスト、有機EL | 2,400 | 2,500 |
高機能フィルム | 食品包装材、工業用フィルム、医療用フィルム | 1,800 | 2,000 |
環境生活・ソリューション | アクアソリューション、イオン交換樹脂、アグリビジネス、インフラ資材 | 1,200 | 1,650 |
高機能成形材料 | エンプラ製品、炭素繊維・複合材料、アルミナ繊維、機能成形複合材、射出成型品、繊維 | 3,000 | 3,800 |
新エネルギー | リチウムイオン電池材料、オプトエレクトロニクスマテリアルズ、有機太陽電池(OPV) | 350 | 700 |
石化 | 石化原料及び誘導品、ポリオレフィン、テレフタル酸 | 9,700 | 10.000 |
炭素 | コークス、高純度グラファイト、カーボン・ゴム | 2,150 | 2,450 |
MMA | MMA、PMMA | 3,700 | 4,250 |
テレフタル酸事業等の再構築事業については抜本的対策を実施する。
三菱ケミカルホールディングス全体のポートフォリオとしては、成長事業8つ、基盤事業6つの13の事業ユニット(ライフサイエンスは双方に)と5つの次世代事業テーマとなる。
次世代事業テーマの内容は以下の通り。
ヘルスケアソリューション 再生医療、診断支援システム、植物由来ワクチン バイオソリューション 植物工場利用の高機能野菜栽培・成長因子、植物由来モノマー・ポリマー、腸内細菌叢の効果利用 ガスソリューション 人工炭酸泉、細胞凍結保存、水素ステーション、ガスの医療応用、安定同位体医薬、ガス・液の分離材料 新エネルギー・高機能材料 有機太陽電池、ケイ素材料 ビッグデータ・ICT利用ソリューション ビッグデータ・ICTを研究開発・製造から財・サービスの供給における事業展開において積極的に利活用
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