中国人民銀行、人民元の新指数導入

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人民元は米ドルに対して下落を続けている。(12/14 6.4591人民元 / ドル)

しかし、国際通貨基金(IMF)は5月26日に公表した中国経済に対する年次審査報告書で、中国の人民元はもはや過小評価されていない、と指摘した。
「人民元の過小評価がこれまで大きな不均衡の要因だったが、実効為替レートの過去1年間の大幅上昇により、もはや過小評価されているとは言えない水準になった。」

米ドルに対して下落しているのは、ドル高の影響であり、人民元は、ドル以外の大半の通貨に対しては上昇している。

2015/5/30 IMF、「人民元はもはや過小評価でない」 


中国人民銀行は12月11日、為替相場は複数の国々との貿易と投資を反映するものであり、 米ドルに対する変動のみでなく、通貨バスケットに対する人民元の変動を考慮する必要があると説明、人民銀行が運営する中国外国為替取引システム(CFETS)は、13の通貨で構成される新たな人民元の指数を公表した。

「人民元はドルだけを参考にすべきではない」とのコメントを、市場では「中国政府は対ドルでの人民元の下落を容認している」と受けとめられ、人民元は続落した。

CFETSは合わせて、BIS(国際決済銀行)通貨バスケットの為替レート指数と、SDR決済通貨バスケットの為替レート指数を発表した。

いずれも2014年12月末を100とする指数で、結果は下記の通り。

CFETS指数 BIS 指数 SDR 指数 人民元/US$
2014/12/31 100.00 100.00 100.00 6.2040 100.00
2015/11/30 102.93 103.50 101.56 6.3981 96.97
12/11 101.45 102.28 99.52 6.4553 96.11

11月30日の指数では、対米ドルでは2014年末比で3.03%の元安だが、CFETS指数では2.93%、BISバスケットでは3.50%、SDRバスケットでは1.56%の元高となっている。
(12月11日のスタート日ではSDRバスケットは0.48%の元安となったが、対米ドルの3.89%の元安よりも、元安の程度ははるかに小さい)

各バスケットでの各国通貨の比率(%)は下記の通りで、 CFETS指数は再輸出を調整した国際貿易のウェイトにより計算される。 SDR指数は2011-2015年の構成比率。

CFETS指数では米ドルの比率は26.40%に過ぎない。

CFETS 指数 BIS 指数 SDR 指数
米 ドル 26.40 17.80 41.90
ユーロ 21.39 18.70 37.40
日本 円 14.68 14.10 9.40
香港 ドル 6.55 0.80 -
英 ポンド 3.86 2.90 11.30
豪 ドル 6.27 1.50 -
NZ ドル 0.65 0.20 -
シンガポール ドル 3.82 2.70 -
スイス フラン 1.51 1.40 -
カナダ ドル 2.53 2.10 -
マレーシア リンギッド 4.67 2.20 -
ロシア ルーブル 4.36 1.80 -
タイ バーツ 3.33 2.10 -
他 27カ国通貨 - 31.70 -
合計 100 100 100

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