Samsung BioLogics、バイオ医薬品受託生産 世界首位へ

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Samsung BioLogicsは12月21日、韓国Incheon Free Economic ZoneのSongdo(松島)で同社3番目となるバイオ医薬品受託生産プラントの起工式を挙行した。
起工式には、サムスン電子の李在鎔副会長ら500人以上が参加した。

第3プラントは総投資額8500億ウォンをかけ、生産能力(18万リットル)と生産効率の両面で世界をリードする設備になる。
同プラントは2017年までに完成する予定で、検証後、2018年の第4四半期に操業を開始する。

同プラントが操業を開始すれば、Samsung BioLogicsの総生産能力は36万リットルとなりスイスのLonza(26万リットル)、ドイツのBoehringer-Ingelheim(24万リットル)を抜き、世界最大のバイオロジクスの受託生産機関(CMO)になる 。

第1プラント 3万リットル 最近米FDAから正式に生産認可
第2プラント 15万リットル 2016年3月に操業開始の予定
第3プラント 18万リットル 2018年の第4四半期に操業を開始
合計 36万リットル


第1プラントでは、FDAから品質安全性など3つの核心基準ですべて「無欠点」通知を受けた。

同社のCEOは、「われわれは、飛躍的に成長している市場であるバイオ医薬品の安定供給を行うため、そして世界のバイオ医薬品会社からの生産需要に応えるため、第3プラントに投資している。世界最大の生産能力と年中無休の稼働能力によって、この第3プラントは世界クラスの品質と生産性を誇ることになるだろう」と語った。

第3プラントが全面稼動すれば、年間売上高2兆ウォン、営業利益1兆ウォンを達成できるとみている。
同社は長期的には、さらに第4、第5プラントに投資することによりCMO事業を継続的に拡大していく計画である。

Samsungによると、第3プラント着工を決めたのは、「半導体成功神話」をバイオ医薬品受託生産分野で再現できるという自信からという。

「30年前にサムスンが半導体投資決定をした当時、主要電子企業が自主的に半導体を生産していたため成功するかどうか心配されたが、結局、世界市場はサムスン電子など専門企業中心に変わった。」

この4年間、バイオシミラー(バイオ後続品)開発などを通じて、「ライバル企業が追うことができない果敢な攻撃投資で後発企業をかわした半導体の成功方程式がバイオ医薬品でも可能だ」という結論を出した。

半導体プラントの設計と建設で得たノウハウをバイオ工場に移植した。

今回の第3 プラント(18万リットル)の建設費は8500億ウォンで工事期間は35ヶ月。
これに対しAmgen
は9万リットル規模で10億ドル(約1兆1000億ウォン)、41ヶ月。
1リットル当たりの建設費は40%弱で、工事期間も短い。


第3 プラントはバイオ医薬品工場では初めて365日稼働が可能なシステムを整える。

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三星グループは2010年5月11日に新事業戦略を発表した。

2010年3月に経営の第一線に復帰した李健煕会長主宰で新事業関連社長会議を開き、確定したもので、未来の新事業は、太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の5つ、2020年まで23兆3000億ウォン(約1兆9000億円)を投資するというもの。(うち、バイオ医薬には2兆1000億ウォン)

  2010/5/12 三星グループの新事業戦略

三星グループは2011年2月25日、遺伝子組み換え技術などを使うバイオ医薬品事業に新規参入すると発表した。

第1弾として受託生産事業に乗り出すため、米Quintiles Transnational Corp. のJVのSamsung BioLogicsを設立した。
サムスン電子とグループの持株会社
Samsung Everlandが40%ずつ出資し、Samsung C&TとQuintilesが各10%出資した。

2011/3/7  サムスン・グループ、バイオ医薬品事業に進出

Samsung Everland は2015年9月1日に三星物産と合併し、三星物産となった。

現在のSamsung BioLogics の出資比率は、サムスン電子が46.8%、三星物産が51.0%、Quintiles Transnationalが2.2%となっている。

2011年5月に松島に生産施設と研究センターの建設に着工した。

2013年に、Bristol-Myers Squibb とRoche との間でバイオ医薬品の製造受託契約を締結した。

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Samsung BioLogicsは2011年12月、バイオシミラー(バイオ医薬品後発薬)の生産のため、米国のBiogen と合併会社 Samsung Bioepis 設立の契約を締結した。

出資比率はSamsung BioLogicsが85%、Biogen が15%であったが、現在はそれぞれ 91.28%と8.8%となっている。2016年から大量生産する予定。

同社はMerck とも開発で提携しており、両社は2015年9月8日、TNFα阻害薬「ブレンザイス」(一般名=エタネルセプト)が韓国で承認を取得したと発表した。

韓国のSK証券はBioepisの売上高が2022年に1兆2000億ウォン、営業利益は5400億ウォンになると見込んでいる。

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