三菱商事、米国の CIMA Energy を完全子会社化

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三菱商事は1月20日、全額出資子会社のMC Global Gas Corporation(MCGG)を通じて、米国テキサス州のガスマーケティング会社であるCIMA Energy 完全子会社化すると発表した。

CIMA Energy は、Houstonを拠点に、ガス及び原油のマーケティング事業を展開しており、北米市場にて既に 1,500社に上る顧客基盤と確立された取引プラットフォームを有している。

三菱商事は2008年6月に同社のリミテッド・パートナーシップ持分34%を取得し、この市場に進出したが、今回、残り持分66%を取得することで合意した。

三菱商事は北米天然ガス事業として、米国ルイジアナ州のCameron LNG、カナダシェールガス上流開発事業や、LNGカナダプロジェクトへの参画を通じた同国からのLNG輸出事業等を推進しており、生産されたLNGは、在シンガポールの子会社 Diamond Gas International を通じて、日本をはじめ、欧州、アジア新興市場等の需要家へ販売する予定。


Cameron LNG:

三菱商事と三井物産は2013年5月17日、Cameron LNGの設立契約と天然ガス液化加工契約を締結した。
三菱商事は日本郵船とのJV (Japan LNG Investment) で参加、他にGDF Suez (2015/4 Engie に改称)も参加する。

Cameron LNGを設立し、年間400万トンx 3基の設備の1基ずつを三井、三菱、GDFSが委託することとなる。

Cameron LNGはルイジアナ州HackberryのLNG輸入基地の輸出基地への転用工事を2013年後半より開始し、総工費60億ドルで1系列年間400万トン能力の液化設備3系列(合計能力 1,200万トン)を建設し、2016年末より生産・輸出する計画を検討している。

2012/4/20 三菱商事と三井物産、米国産LNGを輸入へ 

米エネルギー省は9月10日、Cameron LNGに対し、FTA非締結国向けのLNGの輸出の最終承認を与えた。

輸出承認は日量1.7Bcf の天然ガスを20年間となっている。年間ベースでは1200万トンの輸出枠となる。

2014/9/12 米エネルギー省、Cameron LNG にFTA非締結国向け輸出の最終承認 

カナダシェールガス上流開発事業:

三菱商事は2010年8月24日、カナダの大手エネルギー会社Penn West Energy Trustが所有するブリティッシュ・コロンビア州のCordova堆積盆地のシェールガスを中心とした天然ガス開発プロジェクトに参画する契約を締結した。

その後、中部電力、東京ガス、大阪ガスと石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が参加した。

2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画
2011/5/14 中部電力、東京ガス、大阪ガスと
JOGMEC、カナダシェールガス開発プロジェクトに参加 

LNGカナダプロジェクト

三菱商事は2012年5月、Shell Canada、韓国ガス公社(Kogas)、中国石油天然気(PetroChina) とのLNG輸出計画、「LNG Canada」構想を発表した。

2012/5/17 Shell、三菱商事等の「LNG Canada」計画 


今回の完全子会社化で、CIMA Energy はLNGプロジェクト向けの原料ガスの調達支援業務、輸送手配、数量調整業務、パイプラインに対する輸送契約管理等、北米天然ガス事業に於けるオペレーション業務の核を担うこととなり、北米に於ける生産から販売までのバリューチェーンの強化、安定化に寄与することとなる。

Cameron LNGでは、CIMA は
窓口である MC Global Gas Corporation に対し、原料ガス、パイプライン、ストレージ管理等での業務支援を行う。

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