GEは1月15日、厨房機器など家電製品部門を中国の海爾集団 ( Qingdao Haier Co., Ltd.) に54億ドルで売却する契約に調印したと発表した。
GEの家電製品部門は厨房機器を中心に、下記製品を扱っている。
厨房機器(冷蔵庫、食洗機、電子レンジ・オーブンなど)
洗濯機
湯沸かし器、フィルター
エアコン
カメラ等
GEは選択と集中を進め、戦略外の家電製品事業を売却し、ガスタービンや航空機エンジンなどに注力する方針で、2014年9月8日 にスウェーデンの家電大手 Electrolux ABに 33億ドルで売却することで合意した。
しかし、米司法省が、「調理コンロやオーブンなどでシェアが高い両社の事業が統合されると、価格が上がって米消費者に不利益が生じる」と主張し、2015年7月1日、この売却を禁止することを求める訴訟を提起した。
この訴訟の決着はついていないが、GE がギブアップし、2015年12月7日、売却を中止すると発表した。
GEとElectroluxとの契約では、売却が実行できない場合、Electrolux がGEに解約金 175百万ドルを支払うこととなっており、GEはこの支払を求めた。
Electrolux は、同社が承認の取得に多大の努力をしており、裁判が進行中なのにGEが契約を打ち切ったのは遺憾であるとしており、解約金の支払についてはどうするか検討するとしていたが、結局支払いに同意した。
2015/12/11 米General Electric 、厨房機器事業の売却を中止
GEは今回、Haier への売却を決めたもので、売却金額はElectroluxの33億ドルに対し、54億ドルと大幅にアップとなった。
GEは売却益で2016年のリストラ費用をまかなう。
GEの家電製品事業の昨年の売上高は59億ドルで、米国の白物家電市場ではワールプール次ぐ2位。
Haierはこの買収により、5%未満にとどまっている米市場のシェアを一気に強化する。
HaierはGEブランドを引き続き使用する長期契約を締結した。 米国内の9工場のほか、販売や仕入れのネットワーク、アフターサービスのための拠点を手に入れる。家電の研究開発部門も引き継ぐ。
両社は、家電以外でも、インターネット、ヘルスケア、先進的製造でも長期的な戦略的パートナーシップをつくる。
GEは Haierが工場の効率を高めるのを手伝い、HaierはGEが開発したIoT基盤「Predix」の実施を手助けする。
両社は、中国での手頃なヘルスケア事業の開発、拡大に協力する。
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Haierは2011年7月、三洋電機の日本、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナムにおける冷蔵庫、洗濯機、その他家庭用電化製品事業の買収について基本合意し、同年10月に最終合意した。
日本国内においては「Haier」および「AQUA」両方のブランド名を使うダブルブランド戦略を展開、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアでは「Haier」ブランドと共に、一定期間「SANYO」ブランドも並行して使用する。
2012年にはニュージーランドの家電メーカー Fisher & Paykel Appliances を買収している。
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