中国、日本などの海運企業に独禁法違反で罰金

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中国の国家発展改革委員会(NDRC) は12月28日、日本やチリなどの海運企業8社が独占禁止法に違反して輸送価格を不正につり上げたとして、このうちの7社に対して計4億700万元(約77億円)の罰金を科すと発表した。

発表によると、8社は2008年から2012年にかけて、電話やメール、会議などを通じて、自動車や建設機械を運ぶ大型貨物船の中国と北米、欧州などを結ぶ航路の輸送費について協議し、価格を不正につり上げた。

8社は違法行為を認めて調査に協力したため、罰金額は軽減され、日本郵船は免除された。(法律上の最高は売上の10%)

各社に科す制裁金は下記の通りで、同貨物船による中国市場での2014年度売上高の4~9%に相当する金額となっている。

罰金

売上高比 罰金額
1. 調査協力グループ
日本郵船 免除 0
川崎汽船 4% 2,398万元
商船三井(Mitsui OSK Lines) 7% 3,812万元

2. 違反の大きいグループ
Eukor Car Carriers (韓国) 9% 2億8,400万元
Wallenius Wilhelmsen Logistics (ノルウェー) 8% 4,506万元

3. 違反度が少ないグループ
イースタン カーライナー 5% 1,127万元
Compania Sud Americana de Vapores (チリ) 6% 308万元
CCNI (上記の子会社) 4% 120万元
合計

4億 671万元


このほか、ノルウェーの Hoegh Autoliners も調査を受けたが、カルテルに参加していないことが判明した。

イースタン カーライナーは主に東南アジアを中心とした海上輸送サービスが中心の海運会社で、主要株主は商船三井、辰巳商會、東陽倉庫など。

ーーー

このカルテルを巡っては日本の公取委、米司法当局や欧州連合も調査している。

日本の公取委は2014年3月18日、自動車運送業務を行う船舶運航事業者に対し、独禁法違反行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。

北米航路 欧州航路 中近東 大洋州 課徴金
(千円)
日本郵船  ○
4,022,420 《30%》
○  3,876,500《30%》 ○  3,549,190
《30%》
○ 
1,652,960
《30%》

13,101,070
川崎汽船
1,918,910
《30%》

1,561,430
《30%》

1,155,090
《30%》

1,062,960
《30%》

5,698,390
Wallenius Wilhelmsen Logistics
(
ノルウェー)

54,350

3,441,360

3,495,710
日産専用船
423,310
《30%》

423,310
商船三井
《100%》

《100%》
《100%》
《100%》
合計 5,995,680 9,302,600 4,704,280 2,715,920 22,718,480
《 》は減免率
日産専用船は商船三井、日産自動車、ノルウェーのHoegh AutolinersのJV

2014/3/22  公取委、自動車運送の船舶運航事業者に課徴金納付命令 

米国も米国発、米国着の乗用車・トラックなどの roll-on, roll-off cargo の輸送のカルテルの調査を行った。

これまでに川崎汽船を含め3社が有罪を認め、合計136百万ドルの罰金支払いで同意している。
また、日本人3名が禁固刑と罰金刑を受けている。

罰金
(百万$)

決定日   個人 禁固刑 罰金 決定日
Compañía Sud Americana de Vapores S.A.(チリ) 8.9 2014/2
川崎汽船 67.7 2014/9 H. T. 1年6ヶ月 2万ドル 2015/1
T. Y. 14ケ月 2万ドル 2015/2
日本郵船 59.4 2014/12 S. T. 15ケ月 2万ドル 2015/3


2015/2/3 米、海上貨物輸送カルテルで日本人に禁固刑

なお、米司法省は2015年10月6日、海上貨物輸送カルテルで新たに3人(川崎汽船1名、日本郵船2名)を起訴した。


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