日立金属、米国の医療機器用部品会社買収 

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日立金属は1月21日、電線材料事業における医療分野の強化とグローバルな中長期的成長を目指して、米国で医療用チューブ等事業を展開するHTP-Meds, LLC および Hi Tech Machine and Fabrication, LLCの全株式を買収する契約を締結したと発表した。

買収する2社:
 HTP-Meds, LLC 医療用チューブの製造、販売
           PORTs(
血管内に薬剤を注入するための医療機器)、PICCs(腕から挿入する中心静脈カテーテル
           dilators(
医療用拡張器) 、multi-lumen tubes、multi-layer tubes、
           precision tubing for balloons and sheaths、catheters その他

 Hi-Tech Machine and Fabrication, LLC 医療用チューブ成形金型の製造・販売

買収目的:
 2社の技術力・開発力と日立金属の生産技術力をあわせ、医療用チューブ事業を拡大
 2社と日立金属の医療分野の顧客基盤に各々の製品を相互乗り入れし、医療用製品事業のグローバル展開
 電線・ケーブル技術とチューブ技術を複合した新しい製品を開発・展開

 電線材料事業の成長ドライバの1つと位置づける医療分野において、電線・ケーブル技術と親和性が高く、
 成長性のある医療用チューブ事業を事業に加える。
 医療ビジネスの中核的な市場である北米において事業基盤を確保

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日立金属の事業は次のとおり。


電線材料事業は、鉄道、医療、自動車用電装部品の3分野を成長ドライバと位置付け、ポートフォリオの入れ替えをすることで高収益事業体質の確立に取り組んでい る。
医療分野では、超極細合金線を用いた超音波診断装置用プローブケーブルで高いシェアを有している。

電線材料事業は2013年7月に日立電線を合併したもの。

日立製作所の中西宏明社長が主導した日立電線の救済策

日立電線は、日立金属、日立化成とともに日立系御三家と呼ばれるが、電線業界では住友電工、古河電工、フジクラに次いで国内4位で、電力会社の投資抑制で高電圧ケーブルの需要が縮小 、半導体向けの配線部品も低迷していた。

日立金属では、電線材料の事業ポートフォリオの見直しと基盤強化を進めている。

 ・送配電用電力ケーブルのジェイパワーシステムズの株式譲渡(50%→0%)
   住友電工と日立金属のJVであったが、両社が株式の全部を住友電工に譲渡した。
 
 ・電線・ケーブル販売会社の住電日立ケーブルへの出資比率変更(50%→34%)
   住友電工(40%)、日立電線(40%)、タツタ電線(10%)、東日京三電線(日立金属100%子会社) (10%)の
   4社の出資により設立
   2014年に出資比率を変更(住友電工56%、日立金属34%、タツタ電線10%)
 
 ・エアコン用銅管の製造販売の上海日光銅業への出資比率変更(約49%→約13%)
   古河電工48.825%、日立金属48.825%出資の出資持分の一部を、金龍精密銅管集団股份有限公司へ譲渡。
 
 ・化合物半導体事業(窒化ガリウム(GaN)基板・エピウエハ、ガリウムヒ素(GaAs)エピウエハ等)を住友化学へ譲渡

 ・成長期待分野へのシフト

売上高目標(2013→2018)
鉄道車両用電線(中国、欧米)  37億円→160億円
医療用電線(ブローブケーブルの生産集約で経営効率向上) 55億円→190億円
自動車部品(センサーケーブル伸長、アジア・中米拠点を強化) 200億円→390億円

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