米後発薬大手 Mylanは2016年2月10日、スウェーデンの同業Medaの買収を発表した。 負債を含めた買収額は99億ドル。
ネットでの買収額は72億ドル(1株当たりSKr 165)で、10日の終値(SKr 86.05)のほぼ2倍という高値となる。
一部アナリストからは割高との声が上がり、Mylanの株価は9.4%下落した。
実現すればMedaが手掛ける特殊医薬品と欧州事業が手に入るが、支払われるプレミアムは、医薬品業界で買収規模が50億ドルを超える案件では過去最大級となる。
Mylanによると、合わせて約30%の株式を保有する2大株主は買収案を受け入れた。
Mylanは過去2度Medaに買収を仕掛けており、3度目の提案で実現にこぎつけたことになる。
2014年4月、67億ドルのオファーが拒絶された。
Mylanは直後に90億ドル以上に引き上げたが、これも拒絶された。インドのSun PharmaもMeda買収に乗り出したが失敗した。
逆に、Medaは2014年にイタリアのRottapharm を31億ドルで買収し、事業を拡大している。MedaのCEOは「食うか、食われるかだ」と述べていた。
MylanのHeather Bresch CEOは、決算発表後のアナリストとの電話会議で、今後も積極的に買収を模索する方針を明らかにした。
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Mylan は2014年7月、米医薬品大手 Abbott が保有する米国以外の先進国市場におけるBranded Generics事業を約53億ドル相当のMylan 株式で買収すると発表した。
Branded GenericsはGenericsメーカーが、 長期収載品を新薬メーカーから ブランドをそのまま引き継いで生産・販売する医薬品。
Abbott はオランダで設立する新会社に欧州や日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの事業(フランスと日本の製造設備を含む)を移し、Mylanがこれと統合する。
Mylanはこれにより、本社を税金の安いオランダに置き、税負担を軽くする。
2014/7/21 MylanがAbbottのジェネリック事業 の一部を買収、本社移転も目的の一つ
Mylanは2015年11月、7カ月間交渉を続けたアイルランドの製薬大手Perrigo )の買収に失敗している。
2015/11/19 ジェネリック医薬品大手のMylan、アイルランド製薬大手Perrigo のTOBに失敗
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Meda は自社での医薬品開発は行わず、新製品は買収により確保している。
2014年にイタリアのRottapharmを買収したが、買収後の事業は下記の通りとなっている。
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