Hillary Clinton、TPPに反対を表明、日本も為替操作国に含める

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アメリカ大統領選挙に向けて民主党から立候補しているHillary Clinton 前国務長官はTPP協定について反対だと明言するとともに、中国その他に加え、日本も輸出を有利にするため円安を誘導していると批判し、対抗措置を取る考えを示した。

Hillary Clinton は2月23日付けのメイン州の新聞 Portland Press Herald に、「大統領になれば国際貿易の競争の場を公平にする」と題する寄稿を行った。
サブタイトルは、「中国や他の諸国は不平等なやり方で米国の労働者に対し利益を得ている」というもの。

内容は下記の通りで、大統領になった場合の公約とも読める。

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オバマ大統領の下で、自動車産業を救済し、製造業で90万の職を追加し、輸出は40%アップしたが、これらは危機に面している。
ドル高や中国経済の鈍化、国際経済の混乱が鉄鋼から自動車までの産業の労働者に逆風となっている。

中国や他の諸国は不正、不公平な貿易慣行を使い、米国の労働者、企業を攻撃している。彼らが製品を米国にダンピングし、国営企業を不当に支援し、通貨を操作し、米国企業を差別すれば、米国のミドルクラスが被害を被る。
これは止めるべきだ。

米国製品の需要家の95%は海外居住のため、貿易を止めることは解決にならない。しかし、同じ土俵で勝負する必要がある。
上院議員として、私はブッシュ政権に中国に強硬姿勢をとるよう求めた。国務長官として、国際市場で米国の労働者を守るよう努めた。
大統領になれば、将来の製造業のためグローバルな競争に勝つことが私の目標だ。

まず、米国の労働者が欺かれないよう、貿易ルールを強く守ることが必要だ。
政府はしばしば、問題を労働者や組合任せにし、被害が発生し、労働者がレイオフされるまで行動を取らない。

政府は最初から法律を適用すべきで、そのために、大統領に直接報告する貿易検察官を置いて権限を与え、担当者を3倍に増やし、違反行為が害を及ぼす前に介入する早期警戒システムをつくるべきだ。

また、国際的に決められた労働慣行を守るようーー児童労働や奴隷労働をやめさせ、世界中で労働組合をつくる基本権利を守るようーー他国に責任を負わすべきだ。

第二に、中国の不正行為に立ち上がるべきだ。
中国は現在、「市場経済国」扱いを求めているが、そうなれば、我々の反ダンピング法を無力化し、安い製品を我々の市場に溢れさすこととなる。
そのため、唯一の返事は "No" である。

無数の国営企業、国内企業への膨大な補助金、国が関与するシステマチックな事業秘密の盗用、ルールに従えという声への拒否・・・中国は市場経済からは程遠い。中国が市場経済国扱いを求めるなら、市場経済国の行動を取るべきだ。

参考 2016/2/12 中国の「市場経済国」認定問題 

第三に、米国の労働者に破壊的な働きをする通貨操作をやめさせる必要がある。
中国、日本や他のアジア経済は通貨を切り下げることで、何年にもわたり、彼らの製品を人為的に安くしている。

私は以前にこの不公平慣行に対し戦ったが、再度戦う。
監視などのほか、効果的な対抗策を含めた手段を拡大する必要がある。

第四に、米国企業が雇用を海外に移すのを止めさせる必要がある。抜け道を塞ぎ、税務の恩典を止め、米国での雇用("in-sourcing")を奨励するのだ。

最近、インディアナ州の2つの空調の工場が海外移転を決め、2100の職を失った。しかも税務控除を受けている。
単に何年も工場を支えてきた労働者やコミュニティに背を向けるだけでなく、米国に背を向けた。
大統領になれば、多国籍企業が名前だけ海外に移すことで米国の課税を回避する"inversion" も禁止する。

第五に、新しい貿易協定に高いバーを設定し、職をつくり、賃金を上げ、国のセキュリティを高めるものだけを支持するべきだ。
この基準に合わないため、TPPに反対した。今後の協定も基準に合わないなら反対する。

米国は何世代にもわたり、グルーバル経済のための強く、公平なルールをつくるため、パートナー国と努力してきた。これらのルールは適用してこそ意味がある。製造ルネサンスを支えるためのこれらルールの適用や他の政策が、貿易で米国労働者を助ける唯一の道である。
大統領になれば、それが私がすることだ。

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Clinton前国務長官は2015年10月7日にも、PBS News Hour のインタビューで、TPPについて支持しない立場を表明している。

私は最初から、米国民の雇用創出、賃金上昇、国家安全保障の強化につながる貿易協定を結ぶ必要があると語ってきた。他にも多くの疑問が解消されていないと思うが、私にとってはこの3点に尽きる。

TPPは私が設定した高い基準を満たすとは思わない。

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TPPをめぐっては、民主党のライバル候補 "Bernie" Sanders上院議員が労働者保護の観点から反対姿勢を鮮明にしている。

NAFTA(北米自由貿易協定)やCAFTA(中米自由貿易協定)などが発効してから、米国は数百万人の労働者が失業し、2001年から6万以上の工場が潰れた。最底辺への競争によって、賃金は下がり続けている。
TPPは、製薬業界やウォール街のアメリカの大企業連中によって書かれたものだ。
私は、アメリカの労働者に、時給57セントのベトナムの労働者と競争して欲しいとは思わない。

共和党の不動産王Donald Trump候補も、日本の円安誘導を批判し、TPPに反対している。

現政権の能力のなさは理解を超えている。TPPはひどい協定だ。
アメリカを犠牲にして日本が大きな利益を得る協定で、その隙に中国が裏口から侵入してくる。





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