Westlake Chemical、Axiall に14億ドルでの買収を提案、拒否される 

| コメント(0)

Westlake Chemical は1月29日、Axiall Corporationの全株式を14億ドルで買収する提案をしたと発表した。

1株当たり20ドルの買収で、現金11ドルとWestlakeの株式 0.1967株で支払うもので、1月22日の終値に対し108%のプレミアムとなる。
総額で約29億ドルとなるが、約15億ドルの負債込みとなるため、ネットでは14億ドルでの買収となる。

しかし、Axiallの取締役会はこれを拒否した。
発表でいかの理由を挙げた。

Westlakeの提案は株価の変動を利用するもので、Axiall の資産価値と将来性を著しく低く評価している
Axiall の2015年12月1日の株価は20.18ドルであり、提案価格は高いものではない。
2016年末までにコストダウンと生産性向上での1億ドル達成の目標に進んでおり、Lotteとのエタンクラッカー計画(下記)も順調である。
建材事業の売却も含め、株主価値を高めるための検討を行っている。

WestlakeはAxiall に対し再考を求めている。

ーーー

Axiall Corp.は2013年1月にGeorgia Gulf がPPG Industriesのcommodity chemical divisionと合併したもので、Chlorovinyls 部門(電解~PVC~PVC製品)とAromatics部門(フェノール、アセトン、キュメン等)を持っていたが、Aromatics部門はIneosに売却した(下記)。

Axiall と韓国の Lotte Chemicalは2015年6月、年産100万トンのエタンクラッカー をルイジアナ州に建設するJVの設立を発表した。
シェールガスに付随するエタンを分解し、エチレンを生産するもので、 Lotte Chemical が90%、Axiall Corp.が10%出資するが、エチレン引き取りは売買契約を通して50:50とすることとなっており、Axiallは自社のPVC用のエチレンの50%を確保するのが目的としてい る。

Lotteは残りのエチレンを使い、エチレン隣接地でエチレングリコール 70万トンを生産する。

2015/6/22 韓国 Lotte Chemical、米国で石油化学

Axiall は2015年9月30日、Aromatics部門とPasadena 工場をINEOS Americas に売却した。

Aromatics 部門の能力は下記の通り。
  Cumene  90万トン(1/2は販売)
  Phenol   30万トン
  Acetone   18.5 万トン

現在の同社の製品は下記の通り。

Chlor-Alkali & Derivatives Products
塩素、ソーダ、EDC、VCM、PVC、溶剤、塩酸、
Specialty Products
塩ビコンパウンド、可塑剤、添加剤、水処理製品
Royal Building Products
サイディング、窓枠・ドア材、装飾材(Trim and Moulding)、管・継ぎ手



北米の能力

ーーー

Westlake Chemicalは台湾でCGPCを設立した故 T.T. Chao が1986年に米国に進出、設立した。

現在の製品は以下の通りで、オレフィン事業(エチレン/PE/SM)とビニル事業(エチレン/塩素/VCM/PVC/塩ビパイプ)からなっている。

コメントする

月別 アーカイブ